turn around !!!

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『颯太くんも、元気でたし、そろそろ帰ろっか？』


「うん(笑)おれ、送ってくよ」


『大丈夫だよ！』


「付き合わせちゃったから、今日はおくらせて。ね？」


『…うん、ありがと』


ゲームセンターから出ようと自動ドアを潜れば



『わ、雨』


「ほんとだぁ。傘ないや…」




『あ！わたしある！折りたたみ傘』


Aちゃんが鞄から出したのは青い折りたたみ傘で、

あ、でもちっちゃいや。颯太くん使っていいよ！って俺に傘を押し付けてそのまま雨の中に飛び出していきそうなAちゃんの腕を慌てて掴んだ



「ふたりで入ろぉ」


『絶対濡れちゃうよ(笑)』


「はい、Aちゃん来て下さぁい」


『っ、わ』



傘を開いてAちゃんの肩を抱けば、真っ赤な顔で縮こまるからおもしろくて笑っちゃった


「いつもはAちゃんから飛びついてくるじゃん(笑)」


『それと、これとは別と、言いますか…』


「なんか女の子みたい(笑)」


『みたいじゃなくて女の子なの！(笑)』


「ああ、ごめぇん(笑)」



なるべくAちゃんの肩がぬれないように、傘を傾けてぎゅっと身を寄せて歩く

いつもより急に口数が少なくなって、おとなしいAちゃんはやっぱりおもしろい



ふふっ、って思わず笑った時だった。


あ、ってAちゃんの声と、止まってしまった足に、自然と連られて止まるおれの足


ポカンと口を開けて一点を見つめる視線の先、






見なきゃよかったなんて、今さら遅かった。

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