ちょっとおバカ ページ7
「ごめんね、ほんとに。悪い子たちじゃないんだ」
そう言って悲しそうに笑うナギちゃん。
テキパキと動く手元は、ひとりでやるより全然早くて、
ありがたいな、なんて思いながらその声に耳を傾ける。
「Aちゃんにヤキモチ妬いてるんだと思う。」
『わたしは大丈夫ですよ』
「でも、そういうのって違うから。」
私からナミたちには言っておくねって眉を下げるナギちゃんは、数分会話をしただけでもほんとにめちゃくちゃいい人なんだなってわかるから、慌てて横に振った首。
『やさしいです』
「へ？」
『ここの人って、なんかみんなほんとにいい人ばっかりですよね』
「へへっ(笑)そーかな？」
『中学生のときも、なんかおんなじ様な経験した事あるなって、思い出したけど、…その時はこうやって手伝ってくれる子いなかったから』
だから、ありがとうございます
ちょっとだけ零れそうになった涙に、慌てて目元を拭えば
『わ、』
「なにしてんのAちゃん(笑)」
『手に泡ついてるの忘れてた』
泡だらけのまま衝動的に拭った目元に、ナギちゃんが声を上げて笑って、
なんかあったかい人だなって、顔を見合わせて自然と笑顔が零れた時だった
「…なにしてんの」
「あ！そーちゃん！」
「みんな探してたよナギのこと」
『あ！ごめんなさい、私罰ゲーム中で、それでナギちゃんが手伝ってくれて、』
相変わらずの無表情で厨房に入ってきたうっちーさんは、
ナギちゃんの目の前に積まれた食器に、あからさまに嫌そうな顔をこぼして、
「…なんの罰ゲーム？」
『矢花くんと、その…』
「ばなさんがそんなことするわけないでしょ」
「ちょっと、そーちゃん」
『あ、あの、私、もうひとりで大丈夫ですから！ナギちゃんもありがとう、すごく助かりました。みんな探してるみたいだし、戻ってください！』
「でも、」
うっちーさんの怒ったような雰囲気に、きっとちょっとびびってる私たちは、
肩を竦めたまま自然と近寄った身体
そんな私たちを見て、やっぱり眉を顰めたまま溜め息を吐き出したうっちーさん
「…ナギは戻りな」
「え、でも」
「あとおれやる」
微妙な表情を零したナギちゃんの背中を押して、私の隣に並んだうっちーさん。
Aちゃん、待ってるねってちょっとだけ泣きそうな顔をして厨房を出ていくナギちゃんの背中がやけに小さく見えた。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
