びびり ページ11
『うぅ、こわぁい』
「Aちゃんなにしてんの？(笑)」
お風呂も入って、珍しく静かな広間の隅っこ。
鏡と睨めっこしながらピアッサーと格闘する私の姿を見つけたのか、私と入れ替わりでお風呂に入っていった黒田くんが笑いながらまだ半乾きの髪を揺らして鏡を覗き込んでくる
『ピアス、あけようかなって』
「目瞑ってたら危なくない？(笑)」
『だって怖いんだもん』
「俺、あけてあげよっか？」
『えぇ、黒田くんが？』
「なんだよー俺じゃ不安か！(笑)」
正直ちょっと不安です、なんて
黒田くんと翔馬くんあたりに関しては途中で自分がびびって失敗されそう。
思いっきり顔に出てたのか、軽く肩を押されて文句を言われるから
へらへら笑って誤魔化した。
「くろちゃ〜ん、おれの時計しらない？」
「うっちーさっき俺らの部屋で外してたじゃん！」
「えぇ〜、そうだっけ？、っ」
廊下から私と話す時よりもやたらふわふわした喋り方のうっちーさんの声がして、
ニヤニヤしながら返事をした黒田くんの声を辿ってきたらしいうっちーさんが覗いた広間。
私の姿を見つけた途端、ちょっと気まずそうに視線をキョロキョロさせるから、
「…ふたりしてニヤニヤすんな」
「くろちゃ〜ん、だって(笑)」
『かわいいですね(笑)』
「…うるさ」
ちょっと怒ったような顔をするうっちーさんは、時計とってきて！なんて黒田くんに言って、
相変わらずニヤニヤしたままの黒田くんが気の抜けた返事をすれば、嫌そうに顔を顰めた。
「なにしてんの」
『ああ、ピアスあけようと思ったんですけど、…びびってます』
鏡越しにすぐ後ろにしゃがんだうっちーさんが見えて、
手元のピアッサーをちらっと見せれば、眉をひそめてなんで今？なんて
『こんぴーさんがピアスくれたんですけど、わたしあいてなくて。気分転換にあけようかなって…ほら、ピアスあけたら人生変わるって言うじゃないですか』
「…ピアスくらいでかわるわけない」
『夢がないですよ、うっちーさん』
「あっそ」
やっぱり興味のなさそうに冷たく返されたそれと、気付いた時には手元に伸びてきたうっちーさんの手が攫っていったピアッサー
見上げたうっちーさんの左耳には二つ穴が空いていて、控えめに主張する銀の小さなフープが蛍光灯に照らされてキラリと光った。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
