ごみ箱

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黒「で、あの鈍感クッションはいつになったら自分の気持ちに気付くのかね」


安「さぁ？なんせポンコツだからね(笑)」


内「でもさでもさ、ひらつかってやる時はやる男じゃない？」


そーか？！なんて笑ってるあじと、疑問形で言葉を投げかけたくせにもう興味無いみたいな様子でデンモクをピコピコしてるうちむ。


あーあ、湧はいいよなぁ。今頃彼女とデートかよ



内「あ、ひらつかから連絡きた」


安「A大丈夫だって？」


内「？A逃げたって」


黒「逃げたって？」


内「んー？」


うちむが見せてきたトーク画面には、うちむの言う通り、A逃げたの一言だけで、

え？そんな病んでる感じ？
そっかぁ、まじかぁ。なんて、小さく溜め息を吐き出した時だった



ノックもなしで勢いよく開いた扉の先。
Aの腕を引いてきた困り顔のここのバイトくんと、めちゃくちゃ泣いてるAの姿に俺らはもうびっくりで、



内「なに？！どーしたの？」


深「なんかフロントで迷子になって泣いてました」


『迷子じゃねーし！！っズズ』


黒「ひらつは？Aのこと待ってたでしょ？」


バイトくんこと深きょんは、今日もダサい制服をかっこよく着こなして、泣いてるAを俺らに押し付けると、
迷子はちゃんと送り届けましたからねー！なんて爽やかに部屋のドアを閉めて出ていく



安「…もしかして、ひらつとなんかあった？」


『しょーまがおかしくなったの！！助けて！』


内「おかしくなったって？」


『なんか変なの！あの人変！！』


涙目のままそう訴えるAに、俺らは首を傾げるばかりで、
どーいうこと？なんて問いかけてみても返ってくるのは変とかおかしいとか、

いや、なんかもうAがおかしいよ。大丈夫そ？



「もー、まじで逃げ足早すぎなんだけど」


『っ！なんで来たの！』


「なんでって言われても(笑)みんなでカラオケって約束じゃん」


『隣来んな！むり！』


「まあ、そんなん言われても行くけど」


『っだから、近いってば、！！』



真っ赤な顔のAと、吹っ切れたような表情でAにグイグイ迫るひらつに俺らは思わず顔を見合わせてニヤニヤ。

そうか、ひらつ、ついに男になったんだな。


『も、やだ！あじたすけて』


「やだ(笑)ていうか、わりとお似合いよ？ふたり」


ひゅーひゅー、なんてうちむがわざとらしく茶化して満更でもなさそうなひらつと真っ赤なA。

そんなふたりがこっそり手を繋いで帰っているところを目撃するのも、そう遠くない未来だったりしてね。

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