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「ごめんね、やだった?」
『ちがう。すきになっちゃったから、颯太のこと…だから、っしんどい』
あーあ、これでもう友達にすら戻れないや。
一生懸命拭っても止まってくれそうにない涙に、上手く呼吸が出来なくて、
もう気まずいから早く颯太帰ってよ、なんて心のなかで念じてみたけどぎゅっと掴まれた両手首に、私の願いは通じてないらしい。
『っもー、かえって…っやだ』
「…おれは、ずっとAのことすき、だけど」
『だから、っはやく帰っ……っ、え?』
「だから、ずっとすきだけど」
いまいちピンと来ない颯太の言葉を理解しようと顔を見上げれば、困ったように笑う颯太の姿。
私の手首を掴んだ両手にぎゅっと力が入って、
「パンツ干せって口うるさくいうのも、防犯のためももちろんあるけどさ?おれが見てないとこでAにへんな虫が寄りつかないようにしてんの。わかる?」
『ど、ういう』
「だって部屋に男もののパンツ干してあったら絶対彼氏もちだっておもうでしょ。なにかのまちがいでAの部屋にべつの男が入ってきたとしても、取られないようにって、おれだって必死なの!」
『だって、そんなこと、っ』
「言えるわけないじゃん。だってAに嫌われちゃったら友達ですらいられなくなっちゃうもん」
『でも、っあの美人さんは?』
「たまたま講義一緒でなかよくなっただけ。なんにもないよ」
『っ、でも香水の匂い、いっしょ…っ』
「共通の友達がたまたま誕生日近いおれらにおんなじ香水プレゼントしてくれただけだよ。もらいものだし、せっかくくれたのに付けないのもなぁって」
『だってっ、いつも一緒にいる、しっ』
「…あの子といると、ちょっとだけ不安そうな顔するAがかわいかったから。わざとだよって言ったらおこる?」
なにそれ、今までのしんどい全部返せ!って、
目の前の颯太の肩を押せばちょっとだけ楽しそうに笑って私の手を掴むから、もうほんとになんなの?
『っも、帰る、っ!』
「Aのお家だよ、ここ(笑)」
『じゃあ颯太がかえって!』
「…じゃあさっきのもっかい言って」
熱っぽい目が私を捕えて、そっと引っ張られた腕。
ドキドキする心臓はずっと私だけだと思ってたのに、柔く抱き寄せられた颯太の胸元からも私と同じくらい早く聞こえる心臓の音。
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アオ(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます!何度も読み返していただけているとは!とても嬉しいです(*^^*)作者も矢花くん大好きなので、これからも更新がんばります! (2021年9月16日 15時) (レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - S_uchimura**さん» お久しぶりでございます!私の方こそだいぶお久しぶりになってしまい申し訳ございません( ; _ ; )もうお話も見ていないかもしれませんが、読者様からのコメントにはいつも元気をもらっておりました。ありがとうございます( ; _ ; ) (2021年9月16日 15時) (レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます!そんな風におっしゃっていただけて光栄でございます( ; _ ; )作者も矢花くん大好きなのでこれからも更新がんばりますね。 (2021年9月16日 14時) (レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - アオさんの書く矢花くんかっこよすぎます!大好きすぎて何回も読み返してます笑更新頑張ってください!! (2021年6月13日 3時) (レス) id: 0f8f64375a (このIDを非表示/違反報告)
S_uchimura** - アオさーん!お久しぶりです、覚えておられますか??長らく顔出せなくて申し訳ないです(汗)アオさん、うっちーくんお好きですねいや私も大好きなんですけど、アオさんの書くうっちーくんのお話が大好きすぎるんです、、これからたくさん顔出すので、楽しみにしてます (2021年4月16日 22時) (レス) id: 33c3e53d29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオ | 作成日時:2021年1月28日 0時