▽ ページ31
「ただいまぁ〜」
『颯太くんおかえり』
１週間ぶりにきたAちゃんのお家。合鍵で扉を開ければ、途端に漂う甘い匂い。
今の今までちょっと不機嫌だった癖に、自然と上がった気がする口角に、おれって単純かも。なんて、
結局帰り際にはおれの手にもいくつかぶら下がった紙袋。
キッチンで鼻歌を歌うAちゃんのご機嫌な背中に、その中にある佐倉からもらったピンクの紙袋は、ちょっと隠した。
「Aちゃん、」
『わ、颯太くんあぶないよ』
「ごめーん」
包丁を握るAちゃんの背中にくっつけば、小声を言われるけど、
おれを見上げるAちゃんは、嬉しそうに綻ぶ顔を隠せてないから、やっぱり可愛いなって。
「あまいにおいする」
『チョコレート溶かしたからね』
「んーん、ちがう、Aちゃん」
顔を寄せたAちゃんからも、あまいいい匂いがして、
『あ、リップかな？バレンタインコフレのね、限定のやつなの』
「ふーん？あ、ほんとだ。いつもとちがう」
『ちょ、そうたくん…近、っ』
後ろから覗き込んだAちゃんの唇は、いつもと違う大人っぽい色。
まあ結局何色でもAちゃんが可愛いことに変わりはないんだけどね、って。
吸い寄せられるように重ねた唇に、Aちゃんの頬っぺたが真っ赤に染まる
「かわいい」
『あぶないっ、てば…』
Aちゃんの手から包丁を抜き取れば、切られてる途中だった苺がコロンってまな板の上で転がるから、
きみの出番はもうちょっとあとになりそうだから、そこでおとなしくしててね、なんて。
転がり落ちる前に拾い上げてまな板の上にお行儀よく並べる
『颯太くん…？』
「Aちゃん、だいすき」
くるって反転させたAちゃんの身体と、もう一度重ねた唇。
ちょっとだけ離した隙間から、まだ作ってる途中なんだけどってAちゃんの声が聞こえたけど、そんなの後でいいよって。
チョコレートみたいにあまいAちゃんは、おれしかもらえない特権で、
甘い匂いの充満したそこで、背伸びをしたAちゃんをぎゅっと抱き寄せた。
/turn around !!!→←/アラサーちゃんとＤＫくん
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アオ(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！何度も読み返していただけているとは！とても嬉しいです(*^^*)作者も矢花くん大好きなので、これからも更新がんばります！ (2021年9月16日 15時) (
レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - S_uchimura**さん» お久しぶりでございます！私の方こそだいぶお久しぶりになってしまい申し訳ございません( ; _ ; )もうお話も見ていないかもしれませんが、読者様からのコメントにはいつも元気をもらっておりました。ありがとうございます( ; _ ; ) (2021年9月16日 15時) (レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます！そんな風におっしゃっていただけて光栄でございます( ; _ ; )作者も矢花くん大好きなのでこれからも更新がんばりますね。 (2021年9月16日 14時) (レス) id: eaedf0312e (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - アオさんの書く矢花くんかっこよすぎます！大好きすぎて何回も読み返してます笑更新頑張ってください！！ (2021年6月13日 3時) (レス) id: 0f8f64375a (このIDを非表示/違反報告)
S_uchimura** - アオさーん！お久しぶりです、覚えておられますか？？長らく顔出せなくて申し訳ないです(汗)アオさん、うっちーくんお好きですねいや私も大好きなんですけど、アオさんの書くうっちーくんのお話が大好きすぎるんです、、これからたくさん顔出すので、楽しみにしてます (2021年4月16日 22時) (レス) id: 33c3e53d29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年1月28日 0時
