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『…ですよね』
しっかり閉まってる鍵と、ガラス越しに見える真っ暗なロビーに、溜め息。
一応会社に行ってみようかなって来たはいいものの、やっぱりそうですよね、なんて。
『帰るか…』
昨日のパックのせいか、やたら化粧ノリのよかった今日。
このまま帰るのも勿体ないし久しぶりに買い物でもしようかなって、急遽方向転換で向かった駅前は日曜日だからかやたら混み合ってて、ちょっとゲンナリ。
『つかれた…』
とか言いつつしっかり買い物してる私。
手に取ったミニのワンピースは気付けばちゃっかり手元の紙袋の中で、
なに対抗しようとしてんだ、アラサー。
夢見るババアは痛いって翔太の言葉が今更突き刺さるから、ひとりでちょっと気まずくなる。
「あ、やっぱり出かけてたんだ」
『なんでいるの？』
アパートの前、壁に持たれてスマホを触っていた誰か。
私のヒールの音で顔を上げたのは蓮で、よかったなんて笑うから、なんで？って
「スマホ、忘れてったっしょ。しょっぴーのデスクにあった」
『なんで蓮が？』
「ほら鞄忘れたじゃん、俺。」
『あー、そうだった』
「慌てて電話したら、俺の手元で鳴ったから一瞬びびった(笑)」
『アホじゃん』
追いかけたけど見つかんなかったし、さすがに夜行くのもなって思って、
しょっぴーに連絡したら明日お前が持ってけとか言うから昼頃来たんだけど、ピンポン押しても出て来なかったから
そう言う蓮は、私にスマホを差し出すと、買い物してたの？って優しく笑う
『もしかして、ずっと待ってた？』
「いや、まぁ。ちょっとストーカーっぽい？(笑)」
『いや、まじで申し訳ない。ただでさえ昨日仕事手伝わせたのに…』
俺が好きでしてるって言ってるじゃん、って気にしてないように笑う蓮。
翔太も持ってけとか言うなし、普通に月曜日でいいじゃん。
『…ごめん』
「だから、それやめてってば(笑)」
『でも、』
「じゃあお礼にデート、してくれる？」
『しない』
「そこはきっぱり(笑)」
だって、颯太くんいるもん。
なんて言ったらいくらやさしい蓮でもバカにするんだろうか。
「…連絡先、消されたと思ってた」
『へ？』
「別にそういうんじゃなくても、うれしかった」
さらっと軽く私の頭を撫でた蓮は、じゃあねってそのまま背中を向けていって、
ひとり残されたそこ、蓮の香水がふんわり香った。
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めい(プロフ) - わー！！！！更新してくださってありがとうございます！！！ずっと待ってました‥とても嬉しいです！好きです‥‥！！ (2021年9月16日 18時) (
レス) id: 6c44e7bf29 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 面白いです！素敵な作品ですね更新待ってます (2021年4月10日 15時) (レス) id: 30cf67c532 (このIDを非表示/違反報告)
なるぽ(プロフ) - 好きすぎて何回も見返しちゃいます！投稿待ってます！ (2021年4月10日 7時) (レス) id: fa503700e0 (このIDを非表示/違反報告)
h - やっぱりこの作品が世界一好きです……いつかまた更新してくださる日を気長に待っています^ ^ (2021年3月22日 23時) (レス) id: 9a85b7fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年1月7日 18時
