罪悪感でいっぱい ページ9
「きゃっ！」
「だいじょうぶ、風だよ」
葉っぱが揺れる音に驚いた佐倉が飛び付いてきた左腕。
暗いそこにほんとはおれもめちゃくちゃ怖いはずなのに、さっきから頭の中をぐるぐるしてるのはあの日泣いてたAちゃんの姿で、
はやく終わらせてみんなのとこ戻りたい、なんて
無意識にスピードが上がる足に、佐倉が早いって！なんて文句を零す
「ごめん」
「颯太足長いんだから！」
Aちゃんと歩く時は、小さな歩幅に合わせてぴったり隣を歩くの上手なんだけどな、おれ。
どうやら早く帰りたいの気持ちが強いらしいから、やっぱりAちゃんのことめちゃくちゃ好きみたい。
「…ねぇ、腕」
「だって怖いんだもん！」
いつの間にかぎゅっとされてる左腕と、ぴったりくっつく佐倉に、
やっぱり感じるのはAちゃんへの罪悪感で、
「ちょっと、歩きづらい、かも…」
「…じゃあ手繋いでて」
「えぇ、」
嫌だと言えないまま、佐倉の細い手に握り締められた左手。
確かに真っ暗だし、怖い気持ちは死ぬほどわかるから、無理に解くことも出来なくて、
結局握り返さないまま、振りほどきもせずに、とにかく早く終わらせよう、なんて。
もう！肝試し考えたのだれ？！泣きそう…
「あ、あった。あれ取って戻ればいいんだよね？」
「う、うん」
大きな木の下に置いてある箱には深田が作ったであろう下手くそな手作りの御札。
ぺらりと１枚抜き取って、足早に方向転換しようとした時だった、
「っ、なんか聞こえた！」
「…きこえたね。いや、気のせいだよ、うん気のせい」
人の声っぽい何かが聞こえた気がして、振り向いたけど、シンと静まり返るそこにはなんの気配もないから、
気のせい絶対気のせい、なんて思わず握り返してしまいそうになった左手に力を入れる。
「ねぇやっぱ聞こえる！！むり！！」
「っ、おれもむり！！」
前を向いて歩き出そうとした瞬間、さっきよりはっきり聞こえたそれに、
結局握り返してしまった手と、佐倉を引っ張ったまま元来た道を慌てて引き返して、
「っ、まって！颯太、はやい！」
「むりむり！こわいもん！！佐倉こそもっとはやく走ってよ！」
「無理だってば！っ、あ」
聞こえたそんな声に、あ、って思った時には転んじゃった佐倉。
まじか、なんて思いながらも恐怖には勝てなくて、慌てて背中に背負うとそのまま明かりが見えた方に足を進めた。
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めい(プロフ) - わー！！！！更新してくださってありがとうございます！！！ずっと待ってました‥とても嬉しいです！好きです‥‥！！ (2021年9月16日 18時) (
レス) id: 6c44e7bf29 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 面白いです！素敵な作品ですね更新待ってます (2021年4月10日 15時) (レス) id: 30cf67c532 (このIDを非表示/違反報告)
なるぽ(プロフ) - 好きすぎて何回も見返しちゃいます！投稿待ってます！ (2021年4月10日 7時) (レス) id: fa503700e0 (このIDを非表示/違反報告)
h - やっぱりこの作品が世界一好きです……いつかまた更新してくださる日を気長に待っています^ ^ (2021年3月22日 23時) (レス) id: 9a85b7fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年1月7日 18時
