Fragile Girl (ページ9)

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＃９ページ9

それからは、色のない日々だった。

この家では、平日の朝食は皆揃って食べるのがルール。
会長の堅苦しいビジネスの話を聞くのはまだしも、
雅子さんに言われ続ける小言には堪えた。

学校には送迎が必須と言われ、名前も知らない使用人の車に揺られる毎日。寄り道なんてできやしない。

仮にも六石グループ一族の一員であるからには危機意識をどうたらこうたら…って言われて、休日も許可なしの外出は禁止。もう許可を取りに行くのすら面倒でやめた。

他にもルールが沢山あって、ああしろ、こうしろという命令に従うばかり。ママの急死を機にパパと共に転がり込んできた私に拒否権はないような気がして。

極め付けは、パパ。
あれから一度も会ってなければ、連絡すら返ってこない。
いくら仕事が忙しくても、既読くらいつけられるよね？
心配を通り越して怒れてきたけど、やっぱり心配。

こんな環境でパパと離れても一人で頑張るから、
安否確認だけでもあれば、な。

それに、あの、ジェシーさんって人。彼もあれから姿を見せていない。振り返れば、この家の中で一番優しかった。

他の使用人は感情のない声色で必要最低限のことを話しに来るだけ。顔を合わせるだけで疲れる。

…パパがママと結婚してこの家を出たように、
早く自立してこの閉ざされた世界から抜け出したい。