Fragile Girl (ページ2)

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＃２ページ2

時の流れは早い。

数日後、家の前には黒塗りの高級車。

皺一つないスーツを身に纏った男性がドアを開けてくれて、パパと一緒に車に乗り込んだ。

パパ「ごめんな、A。」

「ごめんも何も、ママとの約束守るためにはこの選択しかないから。大丈夫。」

ママとの約束。

ママが居なくなっても、パパと2人でいること。
2人で居れば、ママもそこにいるよ、って。

パパは悲しそうに微笑んで、何も言わなかった。

車で1時間半程走って着いたのは、
とんでもなく広い美術館のような場所。

「もしかしてここがパパの実家⋯？」

パパ「びっくりするよな、」

覚悟はしていたつもりだけど、想像以上に大きい。
石畳の道をしばらく歩いて、やっと玄関に着く。

そこには、20人ほどの女性たちが綺麗な列をつくって待っていた。

［おかえりなさいませ、啓司様］

あ、パパの名前⋯。ほんとに御曹司なんだ、、

パパ「ただいま。父さんはどこにいる？」

［書斎でお待ちです。］

パパ「わかった、ありがとう。A、いこう。」

「うん、」

この異様な光景に動じることなく、堂々と振る舞うパパが別人に見えて、ちょっと怖かった。