十二柱 ページ13
強く深く牙を立てられる。
桜喜『っ、あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"！』
徐々に強くなる痛みに桜喜は悶えるが、鬼無辻は気にせずに抑え込んだまま、更に深く牙を立てた。
鬼無辻「ん」
一つ、鬼無辻が声を漏らした瞬間……
桜喜『い、いや、いやああああああああああああ！』
牙の先から何かが身体に入ってくる感覚に、桜喜は直ぐにそれが何かを察知して悲鳴をあげる。
桜喜『いや、あ、あ』
頬を流れる温かいものは桜喜の視界を歪めて、さらに流れ続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もうな時間とたったのか、いや、もしかしたら数分かもしれない時間の後、鬼無辻は桜喜の鎖骨から牙を抜く。
桜喜『……ぃあ』
虚ろな瞳に涙の後を残した桜喜に、鬼無辻は満足した笑顔でその頬触れた。
鬼無辻「これで貴女も鬼になる。また、迎えに来ます。大人しくしていて下さいね」
愛おしげに桜喜にそう言い残して、鬼無辻は姿を消す。
桜喜『…こ、…ね、…こ、…ね…ず…こ、ねずこ』
薄れゆく意識の中。重たく、ゆう事を聞かない身体を引きずりながら無理矢理動かして、愛する妹のもとに向かう。
桜喜『……ねずこ、ま、だ。い、き、あ、る』
そう、桜喜が家族のもとから鬼無辻を遠ざけたのは、あの中で一人だけ、禰豆子だけが息をしているのが長年の経験で瞬時に分かったからだ。
桜喜『ね、ずこ。ごめ、んね。ご、め…んね』
涙を流しながらそう呟くように言うと、一人の少年が走って来る。
炭治郎「お姉ちゃん！」
桜喜『た、じろ』
唯一外傷もない炭治郎の姿に、桜喜は安堵の表情を浮かべて意識を手放した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
頬に感じる冷たい感覚に目を開ける。
桜喜『……』
炭治郎「スー、スー」
隣には安らかな表情で眠っている炭治郎と、その隣で口枷をした禰豆子。
桜喜『？』
訳がわからずに、二人に手を伸ばそうとしたその時……
義勇「起きたか、桜喜」
同じ柱の義勇が、木にもたれかかりながら立っていた。
義勇「一体何があった？お前は俺より強いはずだ。そんなお前が無傷で気絶しているなど」
桜喜『？』
義勇の問いに、桜喜は首を傾げる。
義勇「？どうした？」
同じように首を傾げた義勇に、桜喜はゆっくりと口を開く。
桜喜『だ、れ？』
真っ直ぐな瞳でそう告げられ、義勇は目を見張った。
義勇「？！俺のことを覚えてないのか？！」
急いで桜喜のもとまで走り寄り、義勇はそう聞くが、桜喜は首をかしげるばかり。
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Suzu - 続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2019年10月3日 19時) (
レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
スゥ - すっごく面白いです！早く続きが読みたいですが、無理をせずに更新頑張って下さい！ (2019年8月28日 1時) (レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
なきき - この話が大好きです!!!!!続き楽しみにしてます。頑張ってください (2019年7月15日 14時) (レス) id: cdddd9fcdb (このIDを非表示/違反報告)
りな - 面白くて好きです！続きを楽しみに待ってます。無理をせず少しづつ更新してください。応援してます！！ (2019年6月2日 6時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - 続きが気になります！しっかりしたお姉ちゃんって感じが好きです！後、鬼舞辻との絡みも面白い！更新頑張って下さい！ (2019年6月1日 23時) (レス) id: fb4eedb2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ranki | 作成日時：2019年5月15日 22時
