カチューシャの男 ページ9
Aの番が終わってから10分程が経った頃に、最後の一人がブースへ進んでいく
その様子を、Aは先程と同様にじっと見ていた
入っていったＣ級隊員は男の様で、男性がするには珍しいであろうカチューシャを頭に付けており、楽しそうな顔をしていた
周りから見てもそう思われるだろうが、人によっては余裕そうにしているとも思われるだろう。
見た目的にも、何かしらスポーツをやっている…もしくはスポーツが得意そうだと言うのも関係して、1部のC級はあの男が1分切ると予想しているようだった
【4号室 用意…………初め！】
……しかし、結果は周りの予想とは裏腹に、1分58秒と普通よりも遅めの結果だった
その結果に、予想が外れたC級は｢遅いな｣だとか、｢案外ダメだったな｣など、好き勝手に言っていた
まぁ、小声で喋っていたため聞こえてるのはAだけな訳だが
そんな声を耳に挟みながらAはブースから出てきた男を見るが、心做しかションボリしているのが分かる
ついでに
｢思った以上に威力出なかった……動きは悪くねーと思うんだけどなぁ…｣
とも呟いていたのを聞き取った
その呟きに、Aは自分の知識の中に思い当たるものがあった
それは、トリオンの量による威力の違い、である
そもそも訓練室では、トリオン切れはないが一時的に自分のトリオン量が増えるという訳では無い
その為、威力は元からあるトリオンの量に比例しているのである
Aは、あの子はトリオン量が少ないから威力が出なかったんだろうと当たりを付けた所で、全員の戦闘訓練が終わった事で忍田が全員に向けて喋り出す
｢みな、ご苦労だった！これにて戦闘訓練は終了だ。この後は一度休憩を挟み、また別の訓練をする。しっかりと休んでから訓練を再開してくれ。以上だ！後ろから順に、ラウンジに戻ってくれ｣
そう言い終わると、出口付近に居たC級達が次々とラウンジへ向かっていく
暫くたって訓練室内の人数が減ってきた所で、Aも移動のため立ち上がろうとすると、自分の後ろに座っていたであろう人に声をかけられ、Aは後ろを振り向く
そこに立っていたのは、一人の男だった
｢ねぇ、君！さっきの凄かったね！3秒って、ヤバいでしょ。何かやってたの？でも射手って一番現実味無い武器？だけど…才能ってやつ？いいね！あ、俺の名前は"犬飼澄晴"って言うんだけど、君は？良かったら仲良くしてよ！……ね？｣
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くれは(プロフ) - ねこんさん» 楽しんでいただけているようで何よりです！！受験頑張ります…！ (2021年6月3日 19時) (
レス) id: b6ab0ec43e (このIDを非表示/違反報告)
ねこん - めっちゃ好きです！！楽しく読ませてもらってます！受験がんばれ、、、！！！ (2021年4月29日 11時) (レス) id: 581e66d135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは | 作成日時：2021年3月8日 12時
