もしも、あの日 あの時 【赤葦】

高校一年生-貴方side- ページ22

これは去年のことか...


私は『梟谷学園』に入学した。


入学式では一人ずつ名前が呼ばれた。



私は正直めんどくさかったからぼんやりと聞いていた





「赤葦京治」






体が跳ねた。



熱くなった。





君の名前が何故呼ばれた？


私はドキドキしていたが、名前が同じで違う人かもと思っていた。





君に会えたら嬉しいはずなのに君に会う事を怯える自分がいる。






だって君が彼女と付き合ってるのなら君の顔を見れない。





彼女と笑ってる君を見たくない。




「美神A」


私は急いで立った。



あれ？

君の名前が呼ばれてからクラス変わってない。





ってことは







同じクラス？





その後彼女の名前は呼ばれなかった。


そしてまたその後

君の母と私の母が話していた。




その時、私はおそるおそる聞いた。



「君は彼女と付き合ってるの？」





そしたら、周りの人に知られたくないからか君は私の耳元に手を当て小さな声で、





「付き合ってるよ。」



と言った。




胸が苦しくて、

我慢出来なくて、



言ってしまった。



「彼女のこと、好きなの？」



君は悲しい顔をして


「まだあんまり。」



そしたら君は小さな声で


「....でももう彼女のことは好きにならなくて良いかも....」



って言った。私には聞こえてたよ。




どうして、好きじゃないのに付き合ってるの？


どうして、好きにならなくて良いの？






分からない。



私は君を知らなさすぎて。





悔しい


私、もっと君を知りたい

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