8(R side) ページ10
「…虫さん、やけに余裕だねえ?」
「なにが?」
「A、いつもなら絶対ついてくじゃんああいう時」
みんながグローブ片手に公園へ出かけていったあと、残ったのは俺と虫さんだけだった。
「りょうくんこそ」
困ったように笑う虫さんは、なんでもお見通しみたいな顔をする。
俺が真剣にAを好きなことも。
それをみんなには隠し通していることも。
「余裕綽々な顔して、ホントはいっつも悪い虫がよりつかないか心配で仕方ないくせに」
「うるさ」
「…僕は、もうそろそろAにも悪い虫でもなんでも寄りつけば良いんじゃないかって思って」
「…は、?」
…俺はAにも他のメンバーにもこの気持ちは悟られないように必死で余裕なフリをする。
けれど例えばてつやがスキンシップ激しめになったりとか、ともやんがさらっとイケメンを発揮してAを落としにかかったりとか、そういう時はその余裕な顔を崩さずに間に入ってそれを阻止してきた。
自分からアピールなどできず、ただ他の人の邪魔をするしかなかった。今までは誰にだって平気でご飯も誘えたし、付き合おうとも簡単に言えたのに、Aにだけはそれができなかった。
でもできないからこそ必死で周りを固めてAが他の誰のものにもならないようにしてきた、姑息な真似だ。
それだけ必死な俺の前で、今の虫さんの発言は喧嘩を売っているようにしか思えない。
「虫さんそれ本気?」
「本気だよ、今までは僕もりょうくんと一緒でAには傷付いてほしくないし、なんならあんな良い女がてつやみたいなダメンズにひっかかるなんて許せなかったけどさ」
「…、」
「でもAはさ、それでも僕に寂しいって言い続けるんだよ」
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
定期入れ(プロフ) - はるよさん» コメントありがとうございます!◎あのニコニコしたりょうくんに陰ながらめちゃくちゃやきもきされたい欲が滲み出た文になっちゃってます( ; ; )(笑) (2019年7月15日 15時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
はるよ(プロフ) - いつも楽しく拝見しております。私はりょうくん落ちを希望致します!過保護なりょうくん、、是非付き合ってほしいです!よろしくお願い致します。 (2019年7月14日 21時) (レス) id: 232a961ca6 (このIDを非表示/違反報告)
定期入れ(プロフ) - 怜さん» こちらこそありがとうございます!(^O^)◎そうなんです、りょうくん、正直めちゃくちゃ書きやすいんです(笑)コメント本当にありがとうございます! (2019年7月11日 11時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 定期入れさん» わざわざありがとうございます! あの溺愛っぷりを見てるとりょうくん落ちがいいです…けど他の方が仰ってるようにともやんもみてみたい…笑 (2019年7月10日 20時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
定期入れ(プロフ) - なさん» コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです( ; ; )ともやん推し嬉しいです◎ (2019年7月10日 9時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:定期入れ | 作成日時:2019年3月17日 17時