11(Te side) ページ13
「てっちゃん!ジュース飲みたい!」
「おうおう買っちゃる買っちゃる!」
わーい!なんてグローブ片手に喜ぶAを横目に、ひっそりと口元を緩ませる。
これで2人きりになる口実ができた。
さっきまでみんなでキャッチボールをしていたけど、Aの相手はとしみつだった。そりゃ仕方ない、俺じゃあAのとりやすい球は投げれない。
ちょっと休憩しようとみんなで日陰で休んでいたけど、そのときもAの隣は千葉が陣取っていて、くそう、俺は千葉にさえ負けるのかと落ち込んだ。
けれどすぐにAがニコニコと近づいてきて、元気ないね〜?なんて話しかけてきた。可愛い。もう一度言う、可愛い。
ちょっと疲れちゃったかもな〜と誤魔化すと、おじさんだなあと笑われたけど、それさえ可愛くて緩む頰を必死で隠した。
そして冒頭のやり取りである。
そりゃあもう全力で甘やかすに決まってる。可愛いがすぎる。あれ、さっきから可愛いしか思ってなくない?
というわけで、公園から少し歩いた場所の自販機の前にいる。数ヶ月ぶりに2人きりな気がする、嬉しい。
「てっちゃん、最近どう?」
「どうとは」
「女遊びしてるー?」
「うっ」
ケラケラ笑うAと、目を合わせることができない。
これだけAのことでやきもきしている俺だけど、結局会えるのは数ヶ月に一度。我慢できるはずもなく、他の女の子とそういう、まあ、あれです。
唸りながらも返事をしないでいると、Aにバシンッと背中を叩かれた。
「いたっ!?!」
「そんな誤魔化さなくても大丈夫だって!遊んでるのくらいなんとなくわかるし!」
「でも!わしが好きなのはAだから!」
「なにその浮気性の彼氏みたいな発言」
「えっ彼氏…?」
「そこで喜ぶな!」
バシッと今度は頭をはたかれた。
終始笑顔を崩さないAがちょっと怖い。
「遊ぶのはいいけど、女の子泣かしてない?」
「…まあ、うん」
「それさえしなきゃなんでもいーよ、って言っとこうと思って」
どうやらさっきの俺の告白はいつものように聞き流されたらしい。
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定期入れ(プロフ) - はるよさん» コメントありがとうございます!◎あのニコニコしたりょうくんに陰ながらめちゃくちゃやきもきされたい欲が滲み出た文になっちゃってます( ; ; )(笑) (2019年7月15日 15時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
はるよ(プロフ) - いつも楽しく拝見しております。私はりょうくん落ちを希望致します!過保護なりょうくん、、是非付き合ってほしいです!よろしくお願い致します。 (2019年7月14日 21時) (レス) id: 232a961ca6 (このIDを非表示/違反報告)
定期入れ(プロフ) - 怜さん» こちらこそありがとうございます!(^O^)◎そうなんです、りょうくん、正直めちゃくちゃ書きやすいんです(笑)コメント本当にありがとうございます! (2019年7月11日 11時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 定期入れさん» わざわざありがとうございます! あの溺愛っぷりを見てるとりょうくん落ちがいいです…けど他の方が仰ってるようにともやんもみてみたい…笑 (2019年7月10日 20時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
定期入れ(プロフ) - なさん» コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです( ; ; )ともやん推し嬉しいです◎ (2019年7月10日 9時) (レス) id: 671b98a10b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:定期入れ | 作成日時:2019年3月17日 17時