【TOKAI】無敵【YUYAMI】

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「じゃあゆめまるとAは待機しててね」

「はーい」




またなにか作る企画らしい。そういう企画は俺は大体審査員となってゲテモノを食わされるから、またか…という感じ。

でもAがその審査員になるのは珍しい。そもそも東海オンエアで作り出されるものをメンバー以外に食べさせるのは気がひける。体調でも崩された日には取り返しがつかない。ましてや相手はAだ。




みんなが撮影部屋へ移動したので、ソファに座るAに話しかける。



「…A、今回の企画が何か知らされてる？」

「んーん、審査員やってって言われただけ」

「俺と一緒ってことは、何か食べさせられるかもしれないけど大丈夫？」

「あー、全然大丈夫！嫌なら食べませんって言うし！」



心配ありがとうね！とケラケラ笑ってはいるけど、きっとAは何が出てきても口にするだろうし、そういうAに対してあいつらが手加減するとも思えない。


「お腹だけは壊さないように…」

「あはは、気をつけるね〜」





…Aを見てると、本当に大抵のことはなんとでもなるような気がしてくる。

基本はなんでも余裕そうな顔でこなすし、何かできないことがあっても、結局どうにかする。誰かに頼ったり方法を模索したりとやり方は色々だけど、文字通りどうにか。
Aが「できなかった」と諦めている姿を見たことがないし、想像もできない。

そういうAの姿勢が素直に好きだし尊敬するし、たぶんあれだけの人を惹きつける理由にもなっているはずだ。





「あ、そういえばA、目腫れてるように見えるけど大丈夫？」

「えっ」

「あ、気のせいだったらいいけど、痛かったりしたら冷やしなね」

「…そんな腫れてるの目立つかな？」

「えっ、あ、それは全然！俺がなんとなく気になっただけで他の人は何も言ってなかったし！」

「そっか…教えてくれてありがとうね」






…びっくりした。

あまりに不安そうな顔で見つめてきたから、一瞬Aとは別人の誰かのような気がした。

もしかして、本当に泣いて腫れてるのかな。でもだとしたら、なんで？Aが泣いてる姿が全く思い描けない。

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