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『…サエカ？』
異臭が鼻を掠めた。なんか、鉄の匂い？あと、ガソリン。
バクバクと嫌な音を立てる心臓。サエカの部屋の真っ白な扉をゆっくり開ける。
そこに広がる光景に、私は悲鳴を上げた。
腰が抜け、床に座り込む。右手にねっとりとした何かが付いた。
私の前で倒れるサエカ。広がる真っ赤な海。
転がっているのは鋭いナイフ。
『…ね、え…ねえ、サエカ、』
肩を揺すり、サエカの名前を呼ぶ。
口元に手をやると、微かに呼吸をしていた。
『…ん、』
『サエカ、』
『何で、ここに、いるの…！』
弱い力で私の腕を掴んだサエカ。
どうすればいいのか、どうしようかとパニックになっているからドアの向こうで何が起こっているのか全く気付かなかった。
だからこそ、気づいたときにはもうどうしようもないくらい
すぐそこまで、火の手が迫っていた。
火の影響でドアが崩れた。
上手く力の入らない足を無理やり動かして端に移動する。
『サエカ、サエカ！』
どうやら腹を刺されているようだった。
ポケットに入っていたハンカチで溢れる血を止める。
その手に、サエカの手が重なった。
『逃げて、』
『無理、無理だよ、サエカを置いていけない、』
『早く、Aだけでも逃げて、』
そうやって、サエカは笑った。でも、泣いてた。
まだ生きていたかったと、言われているみたいだった。
窓ガラスが割れる音がして、誰かが入ってきた。そして私は抱えられ、外に連れていかれる。
『待って、サエカが、サエカを助けて！お願い！』
そうして私が外へ出されたあと、すぐに家は崩れた。
警察での事情聴取でちゃんと話せていたのかも分からない。
ふわふわとした足取りで帰路につく。
そうしてもう、女優を続けることができないと思ったのだ。
大切な親友を失い、私を理解してくれる人がいなくなった。
『You、漆戸Aだよね。こんなところで何してるんだい。』
このとき声を掛けてくれたのがジャニーさん。
女優を辞めると話せば、じゃあうちに来ないかと誘ってくれていまの私がある。
家も洋服も何もかも揃えてくれた彼のは、本当に感謝しかない。
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ミスト(プロフ) - めちゃんさん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい、すみません。他担の方にも楽しんでいただけてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年8月23日 21時) (
レス) id: 8f2ed3f874 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - くま。さん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい、すみません。ご心配ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月23日 21時) (レス) id: 8f2ed3f874 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃん(プロフ) - いつも更新有難うございます。スト担じゃない私ですが、面白いと思います！体調には気を付けてくださいね〜！！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
くま。 - 沢山更新されていて嬉しいです！でも無理なさらないでください！！これからも楽しみにしてます(^-^) (2020年8月18日 20時) (レス) id: 8ad60fd805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミスト | 作成日時：2020年8月16日 0時
