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「え、と…京本、さん？」
「ぅえ？！あ、漆戸さん…。」
何度もシーンを重ねてきたが、この至近距離で見るのは初めて。
相変わらず綺麗な顔立ち。ちょっと緊張する。
「体調はどうですか。」
「それは、もう、全然元気です！はい！」
「それなら良かったです。はいこれ、どうぞ。」
手渡されたペットボトル。彼女がわざわざ買ってくれたのだろうか。
「これ、俺に…？」
「はい。」
嬉しい。喉も乾いていたし、1口飲めばちょっとスッキリした。
「何か悩み事ですか。」
真っ直ぐな目でそう聞くから、俺は思わず「はい。」と答えてしまった。
「あ、いや、その、」
ベテランを前に情けない、と慌てて訂正してみるけれど逆効果らしい。
「さっきのこと、ですか？」
いまさら何を言っても無駄だと思い、頷く。
「何か、おかしいんです。ずっとあの後のセリフが上手く言えなくて。」
「んー…。」
漆戸さんは腕を組んで、んー、と悩んでくれる。
こんなにも優しくて、他人の悩みでも一緒に悩んでくれるような人がどうして役者を辞めてしまったのだろうか。
「…もしかして、ちょっと怖いですか？リリカのことが。」
「え、」
確かに、怖い。でもそれは役柄であって、実際の俺が怖がっていることはない…と思う。
「すいません、京本さん。あなたが上手くセリフが出てこないのは、私のせいかもしれません。」
「それって、どういうことですか…？」
「んー、ちょっと説明しにくいんですけど…。
きっと、リリカに飲まれてしまってるんです。」
そう言い残すと、彼女は失礼しますと言って監督の方へ走っていった。
何か話してる様子が見られて、そしてそのまま撮影が再開された。
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ここあ(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月11日 3時) (
レス) id: e9acde96bc (このIDを非表示/違反報告)
PaSO(プロフ) - 毎回楽しく拝見させてもらっています。これから先、主人公の物語とSixTONESの物語がどう交錯するのか楽しみです。 (2020年7月31日 13時) (レス) id: 7d5749620b (このIDを非表示/違反報告)
ルル - とっても面白い！主人公がかっこいいです。文章の作りも分かりやすいです。更新楽しみにしてます (2020年7月29日 14時) (レス) id: a1ba471b47 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - とても面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年7月28日 16時) (レス) id: a16372e998 (このIDを非表示/違反報告)
9X9XGkELU2jFo1w(プロフ) - 凄い面白いです！ (2020年7月23日 9時) (レス) id: 2e83991e41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミスト | 作成日時：2020年7月14日 11時
