シン友 third (ページ10)

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「さ、帰るか。」

「アイス。」

「なに？」

「アーイース。食べたい。」

「コンビニ寄るか？」

「うん！」

怪我で歩きずらそうにしているAに腕を貸して、ゆっくりと来た道を戻っていく。

そういえばあそこにコンビニがあったな、と来た道を思い出しながら歩く。

「…優吾くん、ありがとうね。」

「いいえ。ま、なんかあったらまた言ってこい。いつでも聞いてやっから。」

昔、Aが言った。

『優吾くんの笑顔は、太陽みたい！暖かいし、すごく安心できるの。』

その言葉を俺はずっと覚えている。

だから、俺は笑った。

大丈夫、安心して。

そういう意味を込めて、笑った。

「…優吾くんの笑顔は、太陽みたいだね。」

どうやら、昔を思い出していたのは俺だけじゃなかったらしい。

意味ありげな表情を俺にみせて、そう言ったA。

可愛いなあ、とかそんなこと思いながら俺はバイクに股がった。

腹に感じるAの手を、一度ぎゅっと握ってエンジンをかける。

途中でちゃんとアイスも買って、休憩をして。

いつになくゆっくりとした時間を過ごしながら俺たちは帰っていった。