シン友 third (ページ48)

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大きなベーコンと真ん中に半熟の卵が乗ったカルボナーラ。

運ばれてきたそれに俺の腹は音を立てた。

その音が聞こえていたのか、Aはくすりと笑う。

食べてみて、と勧められるままにフォークを手に取りカルボナーラを口に入れた。

「…んま。」

「でしょ！優吾くん！！ジェシーくんも美味しいって！ね！」

「はいはい、分かったから落ち着こうな。」

自分が褒められたかのように、興奮した様子でキッチンのこーちに大声で話しかけるA。

分かったからと頭を撫でるこーちと、嬉しそうに笑っているAは北斗よりも兄妹に見えた。

「あれ、お前ら来てたんだ。」

「樹もシフト入ってんの？」

「いや、今日は飯食いに来ただけ。
Aちゃん、俺アレね。」

「毎回メニューにないもの注文してくるのやめてくれないかなあ。」

「だってアレが一番好きなんだもん。
いいでしょ？」

「はいはい。」

俺には理解の出来ない話がぽんぽんと進んでいく。

気になるような、聞きたくないような、モヤモヤする。

「アレって？」

「Aちゃんお手製の和風パスタ。」

「え、A料理できんの？」

「お前ら舐めすぎな。超美味いから。」

樹と一瞬目が合う。

それは勝ち誇ったような目で、何だか牽制されているようにも思えた。

だから咄嗟に声を出す。

「A、俺にも今度作ってよ。」

焦りから出た、格好悪い俺の本音。