シン友 third (ページ47)

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○ ページ47

「いらっしゃ、おお！ジェシーと慎太郎じゃん。Aー？」

「はーい！」

厨房の方からばたばたと走る音が聞こえて、やがてAの姿が見えた。

「あれ、二人共来てくれたんだ！カウンターどうぞー。」

「…ジェシー？早く座ろうよ。」

「ああ、うん。」

カウンターに座って、メニューを開ける慎太郎と無意識にAを目で追ってしまう俺。

きっと、慎太郎はもう気づいてる。

だけどそこに触れることはなくて何も言わずにメニューを渡してきた。

「今日夕飯あるの？」

「いや、俺だけ。」

「じゃあカルボナーラにしなよ、Aのおすすめだって。」

「ん、それにする。」

なんで慎太郎が知ってんだって、胸がちくっとしたけど息を吐いて深く考えないようにした。

「こーち！」

「何、決まった？」

「うん！カルボナーラとサンドイッチ！」

「了解。」

顧問の愚痴や明日の課題を確認していると、ふわりといい匂いがした。

香水とかじゃない、女の子のいい香り。

変態じみたことを考えてしまうのは男の性だろう、仕方ない。

皿を置いてくれた手はきちんと手入れがされていて、女の子の手をしていた。

「ジェシーくん、ここの優吾くんの作るカルボナーラって本当に美味しいから！」

一生懸命に伝えてくれるAに俺と慎太郎は思わず笑った。