シン友 third (ページ46)

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○ ページ46

「もう放課後なんだけど。」

「…もう？」

「おう。良かったね部活なくて。」

ぐっと背伸びをしたときに黒板の上にある時計を見ると、放課後とはいえ結構時間が経っていた。

「帰ろうぜ。」

「ん、こーちのとこ寄ってかね？」

「いいねえ、行っちゃう？」

相変わらずノリのいい慎太郎。

もし俺が女ならこういう男に惚れてんだろうな、って勝手に妄想して笑えてきた。

「何一人で笑ってんのさ。」

ひとりでに笑いだした俺を、怖いとか気持ち悪いとかいう言葉で片付けずに一緒に笑ってくれるこいつとはきっと一生友だちなんだろうなってぼんやり思った。

「というか、ジェシーが行きたいっていうの珍しくね？」

言われてみれば、あそこに行くときは大体慎太郎からで俺から誘うことはいままでに一度くらいしかなかったはず。

なのに、なんで急にって思ったけどそれはきっと夢にAが出てきたからだろう。

もしかしたら、あそこに行けば会えるかもってそんなことを本能的に思ったらしい。

「気分だよ。」

「…そう？俺も腹減ったし、早く行こう！」

きっと慎太郎は俺の心情を察してたけど、あえて何も言わずに話を切りかえた。

俺もそこに触れずに今日は何を食べようか、と話しながらカフェへ向かった。