シン友 third (ページ44)

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ジェシーくんはそうか、と呟き顔を前に向けてしまった。

彼と話すために自転車を降りた私も隣に並んで学校を目指す。

会話も途切れてしまい、気まずい雰囲気の中で歩く。

「A！ジェシー！」

「わ、慎太郎くん…おはよう！」

「おはよ、慎太郎。」

どうしようかと考えていたとき、後ろからぽんと肩を叩かれた私。

にこにこと笑顔を向けてくれたのは慎太郎くんで、いつもなら邪魔されたくないと思うこの空間も今回ばかりは感謝した。

「なに、2人とも変な顔して。」

「失礼すぎんだろ。」

あれ、いつも通りのジェシーくんだ。

私と同じく自転車を漕いでいた慎太郎くん。

ジェシーくんとの間に入り話題を振ってくれる彼に、お礼のジュースでもご馳走しようかと財布の中身を思い出していた。

ちらりと横の慎太郎くんを見てみると、目が合って笑われた。

もしかして慎太郎くんもジェシーくんの様子がおかしいことに気づいているのかな。

それで助けてくれた、とか？

少し遠くの方で鳴ったチャイムに反応する私たち。

「ちょ、急がないと！」

信号をあとひとつ渡れば学校。もうすぐそこだ。

だけど徒歩のジェシーくん一人を置いていくわけにもいかず、私たち3人は仲良く揃って遅刻届を貰いに行った。