シン友 third (ページ43)

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○ ページ43

「いまは…？」

やばい、変に口を滑らせてしまった。

ジェシーくんが不思議そうに私の顔を見てくる。

「前いないって言ってたじゃん。出来たの？」

「え、ああ、間違えたっていうかなんて言うか…」

明らかに見え透いた嘘を吐いたところで疑いの目は消えない。

だけどそこを深く聞こうとはせず、話題は大我ちゃんのことへ移った。

「大我のどこに惚れたの？」

「んー…」

私は忘れかけていた過去の恋愛を思い出す。

「王子様に見えてたのかもしれない、大我ちゃんのことが。」

「王子様？」

「そう。大我ちゃんってね、学生のときから金髪だったの。

いまよりは少し長めの髪で、ハーフアップにしたりしててね。

当時私が好きだったおとぎ話に出てくる王子様に似てたんだよね。

でも話の内容とか、大我ちゃんの行動とか見てたらギャップもあってね、そこに惹かれたのかもしれない。」

懐かしいな。

これが恋かと初めて自覚したあのとき、胸がきゅっと苦しくなって、でも嫌じゃないその感覚を楽しんでる自分もいた。

ただひとつ言えることは、いまジェシーくんに恋をしているこの気持ちの方が強いってこと。

確かに大我ちゃんも好きだったけど、そのうちそれは家族に抱く愛情と同じものなんだって気づいた。

だからこそ近い距離で何でも話すことができるのだ。