シン友 third (ページ42)

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変化とシン友ページ42

事件があったとはいえ、好きな人と過ごせた文化祭はすごく楽しかった。

もちろんあの6人だから楽しめたんだけど。

そして次の日。

「あんたいい加減にしないと遅刻するわよ！」

「もう出る！行ってきます！」

母の大きな声を背に受け、私は急いで家を出る。

今日の北斗は機嫌がいいらしく自転車を置いていってくれたらしい。

心の中で感謝しつつそれにまたがり、学校へ急いで向かう。

しばらくそれを漕いでいると、見覚えのある赤い頭が見えた。

「ジェシーくん！」

思わず声を掛けてしまったけど、迷惑ではなかっただろうか。

だけどその考えは杞憂に終わった。

「…お、Aじゃん。おはよ。」

「おはよ…？」

何かが違う。

好きな人の変化だ、すぐに気が付いてしまう。

だけど感じた違和感が何なのか分からなくて、でも目の前のジェシーくんは楽しそうに昨日の話をしていた。

「聞いてる？」

「あ、ごめん…」

「何かあった？」

それはこっちの台詞なんだけどなあ…。

という言葉も言える訳なくて、私は言葉を濁した。

「ねえ、A。」

「なに？」

「Aの初恋相手が大我って本当なの？」

「えっ。」

確かに私の初恋相手は大我ちゃんだ。

でもいまは甘やかしてくれるお兄ちゃんみたいな存在で、恋愛感情なんてのはない。

「えっと、何でそれ知ってるの？」

「やっぱり本当なんだ…。」

「あ、え、いまは違うから！もう大我ちゃんに恋愛感情はないから！」