シン友 third (ページ39)

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「やめてよ、もう。」

照れ隠しなのか、顔を赤くさせたAは俺の肩を軽く叩いた。

「慎太郎、A、大丈夫？！」

「ジェシーくん…？」

焦った声色のジェシーが、セットした髪もぐちゃぐちゃにして入ってきた。

そして真っ直ぐにAの方へ行った。

「なにもされてない？大丈夫？」

「あ、うん、大丈夫だよ。」

傍から見たらこんなのもうカップル同然だ。

いっそのこと付き合えばいいのに、と思うのだけれど。

現実はそう簡単にはいかないらしい。

ジェシーと話すAと、目が合う。恐らく、ジェシーが保健室に連れて行こうとしてるけど俺がいる手前迷っているんだろう。

行っておいで、の意味を込めて俺は頷く。

そしたらAは笑って、ジェシーと一緒に歩いて行った。

「あー…」

どっと疲れた気がする。衣装も気にせずマットに倒れこんだ。

「しーんたろ。」

「ん…？ああ、こーち。」

「お疲れ。」

俺に笑いかけたこーちは、片手に持っていたペットボトルをくれた。

「見つけたんなら連絡くらい入れろよ、俺ら何も知らないでめっちゃ探してたんだから。」

「あー、スマホ教室だわ。」

「お前さあ、まあ、いいわ。教室戻るぞ。」

「ん、分かった。」

「文化祭はまだ終わったっ訳じゃねーし、Aの手当てが終わったらみんなで回ろう。な？」

「よっしゃ、なに奢って貰おうかなあ。」

「…調子いい奴だな。」