シン友 third (ページ38)

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○ ページ38

「ジェシーくんから…」

あれ、もしかしてこれジェシー口止めされてたんじゃ…。

まずい、何か言わないと、

「あとでジェシーにお礼言わないとな。」

咄嗟に出てきた言葉がそれだった。

「え、」

すると、Aは驚いた顔を見せた。

「ん？なに？」

「いや、私も同じこと考えてたからびっくりしちゃった。」

「え、」

なんだ、ちょっと面白い。

目があった俺たちは、2人で笑った。

「俺ね、しばらくAと話さなくなって気づいたんだ。Aは俺の大事な友だちなのんだって。
前に話した幼馴染がいるでしょ？そいつのこともあって正直女子を避けてたんだ。
だけどAを初めて見たとき友だちになりたいって思えたんだ。
あんな態度取っておいて、Aに言えることじゃないかもしれないけど

俺とまた、友だちになってくれますか。」

何を虫のいい話を、と笑われても仕方ない。

俺の気持ちが伝わったのか、Aは

「もちろんだよ、慎太郎くん。」

と言ってくれた。

それがあまりに嬉しくて、とりあえず抱き締める。

「し、んたろく」

ちょっと苦し気な声。

ようやく自分が恥ずかしいことをしたと自覚して、俺は照れ隠しのように言った。

「あ、ごめんごめん。Aはあいつだけだもんね。」