シン友 third (ページ36)

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ばんっ、と殴った壁が激しい音を立てた。

佐藤や、その周りにいた奴はぴくりと肩を動かす。

「し、慎太郎くん…？どうしたの、怖いよ、」

「さっきから黙って聞いてたら、なに？そんなに俺の友だちのこと侮辱して楽しい？」

俺は、いまどんな顔をしているんだろうか。

怯えてる奴の顔も見える。怖い、のかな。

「慎太郎く、」

「名前で呼ばないでくれる？うざいから。

言っとくけど、Aは俺の友だちで、俺が守らないといけないんだよ。

てか、よく俺の前で俺の友だちの悪口言えるね。神経疑うんだけど。

なに？頭悪ィの？ああ、悪いからこんなことしかできねーのか。

ほんっと、俺何でこんなのと一緒にいたんだろう。」

「森本、いくらなんでも言い過ぎじゃないか？」

集団の中にいた男子生徒が、俺に向かって言ってきた。

「じゃあお前らがAにしたことはやり過ぎじゃねえの？

自分たちのやったことは正当化して、俺の言ってることは否定されて？

都合のいい頭してんな。」

具体的になにかされてるのを知ってるわけじゃない。

だけど、何か良くないことをされてることは直感で分かっていた。

「俺、お前みたいなやつ大嫌いなんだよ。

なんでこんなのの言うこと間に受けてたんだろ。」

恥ずかしいわ、と呟く俺に佐藤はぼろぼろ泣き出した。

そうして俺の元へやってきて、言った。

「私はっ、慎太郎くんのことが好きなだけなのに！」

「俺は無理だから。今後、一切俺にも俺の周りの友だちにも関わんな。

もし、なんかしたらそん時は何するか分かんないよ？」

泣いてる佐藤の横をするりと抜けて、体育館に入る。

一見すると何にもないここだけど、きっとここのどこかにAがいる。