シン友 third (ページ35)

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○ ページ35

「なあ、Aちゃん知らない？」

「知らないけど、何かあったの？」

「俺と北斗、今日一緒に文化祭回る約束してたんだけど時間になっても来なくてさ。
連絡もつかないしで探してるところなんだよ。」

「え、」

あの一件でAは北斗に連絡を欠かさないようになった。

怒られるの嫌だから、と言ってたから忘れてることはないと思う。

「…俺も、探す。」

教室を飛び出して、手当たり次第Aの姿を探す。

教室棟の一階に降りて、ここからどうしようかと考えていたときに体育館の方にいる集団を見つけた。

何だかすごく嫌な予感がする。

「なあ。」「え、慎太郎くん？！」

今すぐ体育館に入るのは流石にまずい、そう思って俺はその集団が体育館から出てくるのを待っていた。

しばらくするとその集団が出てきて、俺が声を掛けるとその中心にいた佐藤がびっくりしたように声を上げた。

「何でここにいるの…？！」

「Aを探しに来た。」

ひどく歪んでいく佐藤の顔。

人は嫉妬するとこんなにも酷い表情になるのか。

恋愛において嫉妬の感情が分からない俺は、新しく見たその顔が不思議に思えた。

「何で、あんな…」

「なに？」

「なんであんなブスにずっと構ってるわけ？！

頭がいいわけでも、友だちが多いわけでもないし、どこがそんなにいいよ！

ああ、もしかしてお兄さんが恰好いいから？仲のいい先輩がいるから？

そりゃあ、先輩と仲良くするに越したことはないよね、だって」

そこまで佐藤が言ったとき、俺の怒りは頂点に達していた。