シン友 third (ページ32)

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急いで衣装に着替えて、先に出て行ったジェシーを追いかける。

「ジェシー、そろそろ行かないと…」

「…あ、慎太郎。」

「し、んたろ…くん」

女子更衣室の扉の前、ジェシーの横に立つAが俺の名前を呼んだ。

一瞬顔が引き攣ったかもしれないが、こんなんじゃ駄目だ。

俺はAとまた話せるようになりたいんだから。

「なにぃ、何かあったの？」

「いや、別に、何も。」

「えー、たろぴに隠し事はダメって言ったじゃあん！」

いつものおちゃらけた感じで2人に話しかければ、Aも楽しそうに笑ってくれていた。

俺たちのカフェは、有難いことに大反響を受けていた。

そりゃあこーちの作るケーキは美味しいし、他のクラスに比べて接客もいいと思うから当然でしょなんて俺は鼻高々に考えていた。

「はい、ショートケーキ2つとコーラとオレンジジュースっすね。どうぞ！」

「あ、ありがとうございます！」

「いいえ、ごゆっくりどうぞー。」

あの人かっこよかったね、と誉め言葉を背に受けながら裏に行こうとしたとき、

「ねえオネーサン、可愛いね。いつ仕事終わるの？」

と声が聞こえてきた。

今どきそんな典型的なナンパする奴いんのかよ、と笑いそうになりながら声の主を探した。