シン友 third (ページ31)

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ううん、と言葉を濁した俺にジェシーは溜息を吐いた。

「情けないよ、お前。」

「う、」

ぐさり、と刺さった言葉。

「俺の知ってる慎太郎はそんななよなよしてる奴じゃないんだけど。」

作業の手を止めて、俺を見るジェシーはいつになく真剣な顔。

俺の作業する手も止まっていた。

「…だよな、俺らしくないよな。」

俺は俺で、らしくいたい。

自分のモットーにしてる言葉を今更ながらに思い出す。

佐藤がなんだ。あいつの意見に流されて、自分の意見はどこかへやってしまってた。

「ありがとう、ジェシー。」

「おう。じゃあ、早く終わらせてラーメン食って帰ろうぜ！」

今日くらいは奢ってもいいかなって、慣れない作業に苦戦してるジェシーを見てそんなことを思った。

文化祭当日。俺は結局何もできなかった。

「…あー、もう…」

「チキンじゃん。」

俺がこんなに悩んでいることを知ってるのに、ニヤニヤ笑うジェシーの肩を軽く叩く。

でもチキンだと言われたことを否定できない。本当だし。

話しかけようとしても、話してなかった期間が長すぎてどうやって話しかけたらいいのか分からなくなっていた。

「じゃあ、俺先に行くから。」

「え、ちょ、」