シン友 third (ページ30)

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「おい森本！ちゃんと手動かせ！！」

「…あ、すいません！」

あの表情を見た日から、ますます距離が開いた気がする。

Aとの関係をどうしようかと悩んでいると、部長からの怒号が飛んできた。

俺は特別頭がいいわけでもないし、一つ悩みができたらそれしか考えられなくなるらしい。

部長にそうは言われたものの、考えることをやめられるわけではない。

文化祭の準備中で、集中してやれば30分もしないうちに終わるであろう作業ももう1時間を過ぎようとしていた。

「全然進んでねえじゃん。」

アメリカンな笑い声を響かせ、俺に近寄ってきたのはまさに俺の悩みの種である彼女の想い人。

「何だよ。」

「そんな顔すんなって。」

そんな顔もしたくなる。

俺は感情がすぐ顔に出るから、余計に分かりやすい。

ジェシーは俺の隣に来て、そのまま座る。どうやら手伝ってくれるらしい。

「Aのことだろ？」

「まあ、うん。」

ここで嘘を吐いたところでもうジェシーには無駄ってことくらいもう分かってる。

鈍そうに見えて結構鋭いからな。

「俺、Aと話したいんだけどさあ。佐藤に言われたことが頭か離れなくて…」

「つい最近初めて喋ったやつの言うこと信じるの？Aの方がいる時間長いのに？」

「そう、なんだけど」