シン友 third (ページ22)

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恋心と友情ページ22

「…えっと、なんの用事かな。」

体育館倉庫。

何ともベタな場所に連れてこられてしまった。

いまから何を言われるのか、大体の予想は着く。

「あんたさ、本当なんなの？」

佐藤さんの他にも数人の男女が私の前に立っていた。

「私、本当にあんたのこと嫌いなんだよねえ。」

面と向かって言われると、やっぱりくるものがある。

でもここで泣いたりしたら、さらにこいつらを調子に乗らせてしまうだろう。

拳を握り、ぐっと堪えながら佐藤さんを見る。

「…それで？」

「は？」

「申し訳ないんだけど、好きな人に仲良い異性がいるからって姑息な手使って気を引こうとするあなたに、慎太郎くんが振り向いてくれるとは到底思えない。」

あの頃の、何も言い返せなかった私とは違う。

頼りになる人が、私には沢山いる。

「なっ、」

佐藤さんの顔は真っ赤になっていて、見るからに図星だって分かった。

「う、うるさい！！」

どん、と背中を押されて思わずよろける。

「なんで、あんたみたいな地味でブスなやつが、慎太郎くんの隣に居るのよ…！！
何の取り柄もないくせに！」

ぱん、と乾いた音が響いた。

じんじんと頬が痛み、生理的な涙が出てくる。

じゅわりと口の中に血の味が広がった。