シン友 third (ページ20)

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○ ページ20

「大正浪漫喫茶やってまーす、どうぞー。」

クラスメイトの声が廊下から聞こえてくる。

有難いことにたくさんのお客さんが来てくれているため、忙しい。

「オネーサン、2人入りたいんだけど席空いてる？」

いかにもナンパのような口調で話しかけてきた人に、無理やり笑顔を作って対応する。

「こちらにどうぞ。」

「ねえオネーサン、可愛いね。いつ仕事終わるの？」

「はあ…。」

何だこの面倒な男は。

きっと部外者の人なんだろうなあ。

この学校の人ならきっと北斗や樹くんを恐れてこんなこと出来ないはずだから。

連絡先教えて、みたいなことを言われてるけど全部右から左へと流している。

早く静かになんないかな、と思っていると机の上にどんと水が置かれた。

「お客様、ここらキャバクラでもガールズバーでもありませんので女の子をご所望でしたら夜の街へでも行ってくださーい。」

「…あ？なんだお前。」

私を助けてくれたのは慎太郎くんだった。

席に座る男の人たちにへらへらと笑いかけ、その言葉を吐いた彼。

それが気に触ったのだろう、男の人は立ち上がり慎太郎くんの胸ぐらを掴んだ。

「ちょ、っと」

「いいの？俺、大事な友だちに怖い思いさせたやつに黙ってられるほど賢い男じゃねえよ？」

胸ぐらを掴む手をぐっと握り、言い返す慎太郎くん。

拳に浮き上がる血管で、どれだけの力を入れているのか分かった。