シン友 third (ページ19)

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○ ページ19

「わ、」「うえ？！」

ドアを開けた瞬間、人が立っていた。

ふわりと香る匂いから、それはジェシーくんだとすぐに分かった。

「ごめ、…」

ああ、言葉が出ないってこういうことか。

衣装を着こなし、普段はノーセットの髪をしっかりセットしているジェシーくん。

ハーフな顔立ちがまたマッチしていて普段よりも数倍かっこよかった。

その反面、ジェシーくんを好きになる人が増えそうな気がした。

ただでさえモテるだろうに、これ以上ライバルが増えてしまっては困る。

「…なんか、かあいいね。」

「へ、」

やめてください。私のライフはもうゼロよ。

オーバーヒートしそうだ。

「あ、あ、りがと、」

「うん、どーいたしまして。」

なんだこの無言の時間。

どうしたらいいのこの時間。誰か来てくれ、と心の中で密かに願う。

「ジェシー、そろそろ行かないと…」

「…あ、慎太郎。」

「し、んたろ…くん」

ジェシーくんに話しかけた慎太郎くんは、私の姿を見ると目を見開いた。

けど、すぐにいつもの顔に戻ってこっちに来た。

「なにぃ、何かあったの？」

「いや、別に、何も。」

「えー、たろぴに隠し事はダメって言ったじゃあん！」

久しく話していなかったけど、いままで通り話しかけてくれた慎太郎くん。

さっき一瞬見せた顔が気になったけど、それ以上は深く追求するのはやめて置いた。