シン友 third (ページ12)

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距離と表情ページ12

あれから、私は佐藤さんと上手く話せなくなった。

話しかけられてもあの発言を思い出して、愛想笑いを浮かべることしか出来なくなっていた。

佐藤さんがいつも慎太郎くんやジェシーくんといるから、2人ともあまり話せていない。

「はあ…」

「デカい溜息吐いてんじゃねえ、不幸が移る。」

「妹に辛辣過ぎない？」

「安心して、Aちゃんの不幸も俺が幸せに変えるから！」

お昼ご飯も、樹くんと北斗と食べるようになった。

私の事情は優吾くんから聞いているらしく、2人は嫌な顔せず一緒にご飯を食べてくれている。

「お前、あからさまに避けすぎなんだよ。」

私のお弁当と同じおかず、唐揚げをチョイスして口に運んだ北斗は私の目をまっすぐ見てそう言ってきた。

本当に、そうだ。北斗の言ってることに間違いはない。

「…だって、どうしたらいいのか分かんないもん。」

「だからってこのままにしとくの？」

「それは…」

「じゃあ、もう少しだけ頑張ってみようよ。」

樹くんの手が伸びてきて、私の頭を撫でた。

あれ、優吾くんにも同じことされたなあ。

それからご飯を食べ終えるまでに色んな話で盛り上がった。

色んな人が、私を応援してくれてる。

ここで逃げたらその人たちを裏切ってしまうことになる。

「…私、頑張る。」

「それでこそ俺の惚れたAちゃん！！」

「樹。」

「…っ、ふふ」

私に飛びつこうとした樹くんを、北斗が止める。

そんな光景を見て、私は笑っていた。