イケメンヨジャアーティストの正体２ (ページ20)

今日:14 hit、昨日:6 hit、合計:120,007 hit

４ページ20

.

収録終わり、もしかしたらAと一緒に帰れるかも、と

淡い期待を胸に誘ったら、見事玉砕。

テヒョンくんたちが別スタジオで番組収録をしているから

そこに顔を出す約束をしているらしい。

最近テヒョンくんとも会えていない、と溢していたし

さっきのジン先輩のことは気になるけど、

弟に会うことにまで嫉妬していたらキリないな、と思って

できる限りの笑顔でAと別れた。

僕はちゃんと笑えていただろうか。

メンバーたちと解散してそれぞれ帰っていく中、

やっぱりどこか、胸がモヤモヤと気持ち悪かったから

スタジオの練習室を借りて、音楽を流しひたすらダンスに没頭した。

控えめに部屋に入ってきたスタッフさんに声をかけられ時計を見ると、

あれから随分時間が経っていた。

まだスタジオに残っていたマネヒョンが送ってくれると言うので、着替えて地下駐車場へ向かう。

別のことに集中した事で、さっきまでのモヤモヤがリセットされたような気がする。

家に帰ったらAに連絡して、次の休みに今日行った公園にでも誘ってみよう。

喫茶店でサンドイッチとコーヒーをテイクアウトして

公園の芝生の上でゆっくりランチするのもいいな。

Aと過ごすことを考えただけで楽しみになった。

僕って単純だな。そう思いながら地下にたどり着くと

どこからかAの声が聞こえた。

声の方に目線をやると、私服に着替えてるAと

そのAの手を繋いで歩くジミンくん。

え、2人で一緒に帰るの…？

さっきまでなくなっていたドス黒い感情を抑え

彼らは家族、彼らは家族……と言い聞かす。

目線を逸らせずにいると、ジミンくんがAにグッと近づき

Aに顔を寄せた。

Aはこちらに背を向けているからはっきりと見えなかったけど。

男女が顔を寄せるということは、そういうことでしょ…

特にAは動揺するわけでもなく、笑いながら走って行った

ジミンくんを追いかけて、駐車場に消えて行った。

もう何も考えたくなくて、家に着いたあとすぐベッドに入った。

スマホに着信があったような気がするけど

確認する余裕もなく、意識を手放した。

.