ありがとう。神さま。 ページ5
「いたた…あれ?ここは…」
「目が覚めたか?」
その声で、私は勢いよく立ち上がる。
周りを見回すと辺り一面の木。ここは間違いなく、私がリボーンの世界にトリップした日に来ていたあの森だ。
つまり、私は元いた世界に戻ってきた…?
「すまんな、いきなり。」
「神さま…もしかして、私もうリボーンの世界に戻れないんですか?」
あんな、いきなり…みんなとお別れもせずに…?
「いや、戻れるぞ。」
「え、戻れるの?」
じゃあ、なんのために私はここに戻ってきたの?
「いや、そういえば、お主の意見を聞かずにリボーンの世界に送ってしまったなと思っての。お主の意見をちゃんと聞こうと思って。」
「え、今さら…?」
「いや、まあ、もしこっちの世界に戻ってきたいと言うなら、このまま過ごしてくれたらいい。今は、お主がトリップした日と同じ日じゃ。なんの支障もない。リボーンの世界でこのことを話すには、ちと面倒での。一度こっちに戻ってきてもらったんじゃよ。」
相変わらずの神様だな…気分屋というかなんというか。でも、そっか、普通だったらこっちの世界に戻ってきたいって思うよね。
「なるほど…事情はわかりました。」
「それでどうするんじゃ、お主は」
でも私は、もうリボーンの世界で暮らすこと以外考えられない。
「私はリボーンの世界で生きていきます。こっちの世界に未練がないわけじゃないけど、やっぱりリボーンの世界が好きだから。」
「うむ。なら、こっちの世界でのお主については私に任しておきなさい。」
よかった…このまま向こうに戻れなかったらどうしようかと思った…
「あの、リボーンの世界に戻してもらうのに、さっきいた時間と同じ時に戻してもらえるんですよね?」
「もちろんじゃ。いきなり連れてきて申し訳なかったな。それじゃ、リボーンの世界でこれからの人生楽しんでおくれ。」
「はい。ありがとうございます!神さま。」
「あと、最初のトリップの時にも言ったが、この世界のことはリボーンの世界では言ってはいけないぞ。」
「はい。分かってます。」
そう言うと、また私の意識が沈んでいく。
よかった。さっきと同じ時間に戻してくれるなら、恭弥との約束の時間に間に合う。
私いつのまにかこっちの世界より、リボーンの世界の方が大切になってたんだなあ。
そう思うと、あの日遭難して神さまに会えてよかった。
向こうに戻ったら早く恭弥のところに行かないと…
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ゆん - 更新楽しみにしてます! (2020年5月11日 14時) (レス) id: 72cd235cd7 (このIDを非表示/違反報告)
amin(プロフ) - 優さん» なんと重大なミスを…訂正しておきます!教えてくださってありがとうございます!! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e68881c356 (このIDを非表示/違反報告)
優 - この作品ミー好きなので更新楽しみにしてますー! (2019年9月8日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
優 - こんばんは!雲雀さんの口癖噛みじゃなく咬みですよー。 (2019年9月8日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amin | 作成日時:2019年9月2日 17時