【忍足侑士】護ったるから…【禁戒】 (ページ1)

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The NiNETY-THiRD.. ページ1

～忍足家前～

忍足「…はぁ、はぁ………んああ…こんな焦って走ったん久しぶりやわ…」

ホントに、
よく走ってくださいましたこの方(笑)

まさかココまで全力疾走してくれるとはね、私としても想定外でしたよ

なんか

結構あっさり抜け出せちゃったけど…

危なかったよな？
バレてもおかしくない状態だったよな？

カバンとか、さ…

私が入ってたから、めちゃめちゃ膨れてたワケで(笑)

A「ﾓｿﾞｯ)…お疲れっす」

忍足「はぁ……ホンマに…お嬢さん……何者なん？」

A「まあまあ、ソレはまた後ほどじっくり…ね？」

忍足「ホンマによぅばれんかったもんやで…」

A「あ。ソレ私も思った！」

忍足「カバンのでかさにツッコまんあたりが、さすが跡部様いうところやな…」

A「……だな」

忍足「…ちょい待ちぃや。」

A「ん？」

忍足「普通に俺ん家まで帰ってきてもうたけど…お嬢さん……これからどないするつもりなん？」

A「え？…えー…………」

そうだった。

脱出するコトばっか考えてて、この先を考えるの…
忘れてたよ…

冷静に考えてみたら、

私の家って、なんやかんやで跡部邸だったんだよね。

つまり、今の私には…………

A「住む家が、…ない…………っ！」

忍足「…はぁぁ？」

A「ど、どうなるんだ私…!!」

忍足「ちょ、ちょお待ってぇな…！俺全然お嬢さんについていかれへんのやけど……」

A「うっぎゃーー!!」

忍足「ちょっ、叫ぶなや！……とにかく、お嬢さんのこともっと詳しく聞かせてぇな…」

A「ふんっ…！なんでお前なんかに……！」

忍足「はぁ、生意気なお嬢さんやな…」

A「そんなん、言われ慣れてるし。」

忍足「聞いとったんかいな(汗)……まあ、俺にはお嬢さんのこと知る権利があるはずやで？」

A「………しょーがないな…」

多少不本意だったけど、

この人… 忍足に私のコトを思いつく限り話した

私に苗字がない理由
強制的にメイドをやらされていたコト

景吾に気に入られちゃったコト
景吾に逆らったらもれなく妻にされるコト

私は景吾なんて大っキライだってコト

諸々その他。

忍足は終始興味深そうに聞いていた…

……ように感じた。私は。