春紅クール

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「めざましのスタッフさんたちには妊娠したからってことまで言ってお休みもらったのか？」


「ううん…メンバー以外にはまだ社長にしか話してない…。めざましの人たちにもちゃんとこれから言うつもりだけど…まずは家族にも話さないと」


家族…それって、伊野尾ちゃんのご両親とかってことだよね？
でもいのちゃん側のご両親だけじゃなくて他にもいるはずだよね？

どうしよう、このタイミングで聞いてもいいかな。



「あの〜…それで伊野尾ちゃん、なんていうか…相手、というか…お腹の子のお父さん…というのは…？」


正直に言うと、聞きたくない気持ちもある。
ところが知りたい気持ちもある。なんとも複雑な心境だ。
だってそのポジションは俺が狙っていたところなのだから。

その質問をすると伊野尾ちゃんは口籠もってしまった。


「伊野尾ちゃん…？」


「あ…相手は…言えない…」


そんなこと言われても俺たちが納得するはずもなく。


「いのちゃん、相手にもその家族にも話さないといけないんだから言えないじゃ済まないよ。こんな言い方どうかと思うけど…その人にはいのちゃんを妊娠させた責任があるんだから」


光くんの言葉にも伊野尾ちゃんは口を開こうとしない。
なんで？だって、一番の責任はそいつにあるはずなのに。
伊野尾ちゃん1人で子供を産んで育てるなんて、負担が大きすぎるじゃないか。
そりゃ、もしそうなったら俺たちもできる限りサポートはするけど…まずはその相手をぶん殴ってやりたい。
お前が無計画なことするから伊野尾ちゃんが1人でこんなに悩んでつらそうにしてるんだぞって…
そもそも妊娠したことを明かせない相手ってなんなの！？そいつと付き合ってるんじゃないの！？

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