72 ページ22
千冬side
俺に頑張れと言うように、風が吹いて桜の花びらが散る。
Aさんは俺をじっと見つめてくれていた。
『あの、俺、』
「うん、」
『Aさんのことが「あれ？こんなとこにいたんだ？」
「…さ、佐藤くん、」
『……』
佐藤「松野もいるけど…、ま、いっか。」
佐藤は俺を押しのけて、Aさんの目の前に立つ。
佐藤「俺さ、Aのこと好『オラァ！！』痛っ！？」
俺は躊躇いなく佐藤にグーパンをお見舞する。
その勢いに逆らえず、佐藤は尻もちをついた。
Aさんもびっくりしてるけど関係ない。
佐藤「てめー！何すんだよ！」
『お前が何すんだよ！』
佐藤「はぁ！？」
『俺が先約なんだよ！
俺が先に想い伝えるって決めてたんだ。
人に告白の妨害すんなよ、とか言ってたくせに
お前が邪魔すんなよ！』
佐藤「っ…
くそっ…！」
佐藤はもう言い返せなくなったのか、その場から
そそくさといなくなった。
「…松野くん。」
『あっ……』
「続けて？」
『…、』
Aさんは、優しい笑顔でそう言った。
『…俺、Aさんのこと、好きです。
初めて出会った日から…、ずっと好きです。』
「……。」
なんで、なんで何も言わないの、
冷や汗がたらたらと伝う。
ドキドキと、心臓も音を鳴らした。
『すいません、本当はもっといい雰囲気で、』
「ううん、松野くんらしくていい。」
『…え？』
「変にかっこつけないで、だけどかっこよくて、
面白くて、優しくて…」
『えっ、ちょっ、』
「間違ったことは違うって言える、芯が通ってて…、
不良とか関係ない。
私はそんな松野くんが好き。」
『……えっ？』
「私も、松野くんが好き。」
『へ…、』
嘘だ、本当に？
『ゆ、ゆめ、』
「夢じゃないよ。」
自分で頬をひっぱり、本当に夢じゃないのかを
再確認する。
『痛っ、』
「な、何してるの…！
ほら、赤くなっちゃったよ…！」
夢じゃない。
ちゃんと、現実だ。
我慢しようとしてたはずの涙が、
一気に溢れ出た。
『ぅ、うぅ…、』
「まっ、松野くん！？泣いて…」
『泣いてないっす！！』
「あはは、もう見ちゃったよ。
前にもこんな会話したねぇ。」
Aさんは、俺に寄り添ってくれる。
そして、優しく頭を撫でてくれた。
『ごめんなさいっ、俺、泣くとかダサすぎますよね…、』
「そんな事ないよ、ダサくない。」
Aさんの目の前で泣くの、何回目だよ。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えび天(プロフ) - 華恋さん» 華恋さん、ありがとうございます！華恋さんの応援のおかげでございます😭コメントもすごく力になりました💪🏻🔥番外編もぜひよろしくお願いします🙇♀️💗 (9月23日 23時) (
レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - 完結おめでとうございます！素晴らしい作品を最後まで見届けることができてとっても嬉しいです🥰番外編も楽しみにしております💕えび天様もどうか無理をなさらず、頑張ってください！これからも応援しております✨ (9月19日 22時) (レス) @page26 id: 92a816f288 (このIDを非表示/違反報告)
えび天(プロフ) - ayastさん» コメントありがとうございます♪お陰様で完結することができました！番外編もよろしくお願いします💗 (9月15日 19時) (レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
ayast(プロフ) - 完結おめでとうございます‼︎番外編も楽しみにしています😊 (9月14日 7時) (レス) @page26 id: af36fdec29 (このIDを非表示/違反報告)
えび天(プロフ) - ゆっちさん» コメントありがとうございます♪ドラケンくん…場地さん…いいですね…！ぜひ参考にさせていただきます💞 (9月7日 19時) (レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えび天 | 作成日時：2023年8月13日 23時
