69 ページ19
千冬side
時間はもう遅い。
みんなそれぞれ解散することになった。
タケミっちはヒナちゃんと、
マイキーくん、エマちゃん、ドラケンくんは
3人で一緒に、
俺は、もちろんAさんを家まで送るのだ。
「そっか〜、もう卒業か〜…、」
『そうっすね…、』
Aさんが、同じ学校からいなくなってしまうなんて、
もしも、俺がこのまま告白できなかったら、
告白しても、OKがもらえなければ、
多分、Aさんと会うことはなくなる。
「それに、松野くんは卒業式参加出来ないもんね…」
そう、今年の卒業式は
在校生参加不可、なのだ。
『だけど俺、学校行きますよ、』
「えっ、そうなの？」
『…はい、Aさんを待ってます。』
「え……、私を？」
『卒業式ですし、たくさんお世話になりましたから…、
まぁ、
色々、伝えたいこともあるんです、』
もういい、告白かもって、察されてもいい。
「…ほんと？どこで待っててくれるの？」
『裏庭です、あそこ、
すっげえデカくて綺麗な桜の木あるんですよね。』
「あ！そうだね！
今年は特に綺麗に咲いてるんだよねー！」
『ですね、今年の桜の木はほんとに綺麗です。』
Aさんと、こうやって歩いて話せるのも、
もうあと、少なくて限られた時間だと思う、から、
大切にしたい、けど、
会えないなんて、嫌だ、
「だけど、やっぱり寂しいな…」
『………』
「もう、なかなか会えなくなるね、」
俺は、このAさんの言葉に、
どう反応すればいいかもわからない。
「…ごめん、反応しづらいこと言っちゃったね。」
『いや…そんな、』
「だけどほんとに、寂しくなるなぁ、」
ほんと、本当にだ。
寂しくなるどころじゃない。
Aさんのいない学校なんて、
登校する意味もないだろ、
「私ね…、本当に松野くんのおかげで変われたよ。」
『え…？』
「人は見た目に比例しない、そう言ってくれたおかげ。
他にもそう、たくさんの人とも関わらせてくれたし、
お友達も増えた。
松野くんがいなきゃ、こんなことなかったよ。
だから、ありがとう。」
ずるい、ずるいよ、
まだ卒業式でもないのに、俺の事泣かせるつもりですか？
「…あ、家着いちゃった。
送ってくれてありがとう。
じゃあ、またね。」
『…は、はい、また…、』
Aさんは、俺に手を振って、家の中へ入った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えび天(プロフ) - 華恋さん» 華恋さん、ありがとうございます！華恋さんの応援のおかげでございます😭コメントもすごく力になりました💪🏻🔥番外編もぜひよろしくお願いします🙇♀️💗 (9月23日 23時) (
レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - 完結おめでとうございます！素晴らしい作品を最後まで見届けることができてとっても嬉しいです🥰番外編も楽しみにしております💕えび天様もどうか無理をなさらず、頑張ってください！これからも応援しております✨ (9月19日 22時) (レス) @page26 id: 92a816f288 (このIDを非表示/違反報告)
えび天(プロフ) - ayastさん» コメントありがとうございます♪お陰様で完結することができました！番外編もよろしくお願いします💗 (9月15日 19時) (レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
ayast(プロフ) - 完結おめでとうございます‼︎番外編も楽しみにしています😊 (9月14日 7時) (レス) @page26 id: af36fdec29 (このIDを非表示/違反報告)
えび天(プロフ) - ゆっちさん» コメントありがとうございます♪ドラケンくん…場地さん…いいですね…！ぜひ参考にさせていただきます💞 (9月7日 19時) (レス) id: 92c34ba689 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えび天 | 作成日時：2023年8月13日 23時
