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急いで2階へ駆け上がった。
近づいてくるエンジン音に
先に飛び起きたのはやっぱり大介で
後で俺も行くから上がってと真剣な目で言われた。
誰が来たのかは知らないがきっとSAにいた人だろう。
そうじゃなきゃ追いつけない。
加えて銃を所持できる…SPか。
戦闘能力、身体能力に長ける人間がSPとして起用される。
もしそんな人と戦うことになるなら、圧倒的に彼は不利。
一体どんな人が来るのかと、窓辺から目だけを覗かせて
玄関を見ていた。
それは、よくよく見覚えのある人だった。
｢うそ…亮平さん…？｣
下の者に追わせるんじゃなくて、自分で来たの？
ということはさっきの銃声も亮平さんが？
…彼は、大介を葬るつもりなのか。
下の扉を開く音がした。
革靴がコツコツと静かな家に響く。
『ようこそ、阿部亮平様』
階下から聞こえる小さな声。
姿を見せないよう気をつけながら全神経を耳に集中させる。
争ってるような音はしない。
ただ、ピンと張りつめた1本の糸が浮かんでいて
それを震わせた瞬間に全てが崩れそうな。
そんな空気を感じる。
『…返してもらっていいかな。俺の婚約者』
『そうはいきませんね。Aは自分の意思で
俺と生きると言いましたので』
『あくまで俺の邪魔をするってことだね』
『俺からすれば邪魔なのはあなたですよ』
階段から身を乗り出して行方を見ていた。
大介が1本足を踏み込んだ瞬間
亮平さんが懐から綺麗に銃を構える。
額に突きつけられたそれに、大介の動きは止まった。
｢やめて、｣
口にしてしまっていた。
亮平さんがこちらを見る。
その隙に大介が銃を払って、亮平さんの腕をねじ上げる。
苦悶の表情を浮かべても弱音を吐かない彼。
『…Aちゃん、お迎え来たよ。帰ろ』
｢…ごめんね。亮平さん｣
よく顔が見たかった。
きっともう、会うことは無いだろうから。
みるみる不自然に歪む顔。
いつもの彼からは想像もできないほど醜く
それはやがて般若のような表情になる。
『……ざけんなよ』
大介が振り払われた。
その拍子に後ろの壁へ激突して倒れ込む。
銃を再び手にした彼が、恐ろしく嗤った。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
