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逃げられる、と本気で思っているのならば
こんなに愚かなことは無い。
目黒から回ってきた情報と
念の為車に着けたGPS。
点と点は線で繋がり、それらは俺の予想を越えないもの。
一昔前、業界のトップを走っていた佐久間家。
あちこちに土地を持っていたうちの
残骸のひとつが本州最北の森の中にあると。
とりあえずナビを入れ
ハンドルが狂う手前のスピードでひた走った。
ナビが終了してもタイヤ痕を辿れば見えてきた。
人に忘れられたかつての豪邸。
すぐ側に停められた、さっきの車。
本当は怒鳴り込んで扉なんか蹴破りたいところなんだけど
君がいるからやめておく。
でも、必要以上に気を使うことだってもちろんしないから。
寝てるなら起きて。
夜遊びは終わりにしよう。
俺が、夜明けを連れてきたよ。
正面の扉には鍵がかかっている。
きっと他の窓や扉も全部。
だったら選択肢は2つだ。
息を潜めて彼らが出てくるのを待つ。
もしくは、正統法で。
インターホンのないこの家から中の人間を呼び出すには
この方法しかない。
少し大きな音がするけどごめんね。
どん、と扉を一発叩いた。
拳がちょっと痛いけど仕方ない。
『開けて？もうここに居るの分かってるから。
逃げようとしても無駄だよ諦めて』
何度か拳を痛める覚悟をしていた。
なのに、思いのほかあっさり扉は開いた。
だけどその奥には誰もいない。
俺を誘い込もうと暗闇が口を開けている。
意を決して1人、中へ足を踏み入れた。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
