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出来るだけ話を長引かせて、と言った
俺の言葉を飲み込んで
お父さんは下手くそながら頑張っていた。
東京を出て北へ北へ向かっている車。
この速度なら、高速道路。
途中で乗り捨てて空路もしくは海路か、
本州の最北で隠れるつもりか。
いずれにせよ一夜では逃げきれない。
勘づいた執事は途中で携帯を捨てた。
…嫌な言い方をするが、大手企業の次世代社長を舐めてもらっては困る。
切れた！！と大騒ぎするお父さんの横をすり抜けて
優秀な部下の肩に触れた。
『…目黒。佐久間大介の出自、今まで行ったことのある場所を
重点的に調べて送ってくれ。俺は出るから』
｢ 俺がですか…？ ｣
『父親の背中を見てるなら出来るはずだ。期待してる』
君だって、彼女が姿を消せば悲しいはず。
独り占めしようとしているアイツを
羨ましいと思うだろう。
本来着替えてから行くべきなんだろうが
もう会場はぐちゃぐちゃだし
着替える時間すらも惜しい。
『お父さん。車1台借りる』
｢ どこに行くんだ ｣
『連れ戻す。俺の婚約者だから』
監視カメラに映る君は、緑を纏っていなかった。
それだけで答えは十分出ている。
分かってるけど、体が心の言うことを聞かないのが愛だって
君のおかげで知ることが出来た。
ひとまず追いかけよう。
ナンバーと車種は割れている。
一体どういう計画で俺たちから逃げようとしたのか知らないけれど
無駄だよ桃色髪の執事。
お前はただの執事。それ以上にも以下にもない。
思い知らせてやる。自分の立場、何をしでかしたのか、
俺を怒らせたらどうなるのか、全て。
何も起こさなければよかったのに。
そうしたらせめて、彼女の執事をお前のままに
しておいてもよかったのにね。
身の丈に合わない欲望は全てを破滅させるんだよ。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
