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シャンデリアの煌めく宴。
いつもそばにいた貴女は、
今宵あいつに抱かれて作り笑いを浮かべてる。
この目立つ頭じゃどう頑張ってもバレずに近くには行けなくて
でもこの日しかなくて
貴女の関係者しか入れない控え室に忍び込んだ。
万が一旦那様や奥様に会ったとしてもここなら言い訳が聞く。
旦那様が悪いんですよ。
いきなり結婚だなんて言い出して
いきなり俺を飛ばすなんて言うから。
父の会社が倒産して
跡を継ぐという道標が消えて
拾って下さった旦那様。
居場所も、仕事も、金も、そして何より…
お嬢様を俺に与えてくださったこと、本当に感謝しています。
このまま何も無ければ、何も起こそうと思わなかった。
お嬢様のそばにいれるなら
気持ちは届かなくてもいいと思った。
こんなに早く、誰かのものになるなんて。
しかも貴女自身で決めた相手ではないヤツと。
ねぇお嬢様。
俺はひとつ、嘘をついたんだ。
仕えて1週間。
俺は貴女をなんにも知らなくて、
この歳にして無愛想で冷たいなんて人生苦労すんだろうなって
結構大変な人の執事になったかもって考えてた。
夕食の時、俺が貴女の前にナイフを置こうとしたら
手が滑って床に落としてしまったことがあった。
旦那様は冷たい視線を向けて、奥様は怒鳴ってたな。
ありえない。主が居る方に落とすなんて
反逆の意思と捉えても仕方ないと。
謝り倒す俺の手を、そっと取って。
あなたは怪我してないのって。
その時初めて目が合った。
本当に心配してくれていた。
優しい子なんだって
俺が勝手にお嬢様に纏わせていた鎧が砕けて
きっと俺の気持ちはそこから始まった。
去年からなんて嘘。
ずっと前から、貴女が好きです。
気持ちのない相手と結婚できるのなら
俺とだって一緒に居て欲しい。
だから、今夜。
俺は貴女を攫うから。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
