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翌日何事も無かったように
朝食の席で今日の予定を告げてくる佐久間。
お披露目パーティーのことはもう両親の耳にも入ってしまい
勝手に向こうに了承の返事を送ったそうだ。
勝手なことをするなと抗議すれば
逆になぜすぐ返事しないとキレられた。
朝食の味がしなくなり
またもイライラに包まれる。
ここに居るのと阿部さんと結婚するの、
どちらが幸せか分からなくなる。
いつもの癖で、ブスくれた顔で佐久間に視線をやった。
にっこり笑った佐久間がほっぺたに両手の人差し指を当てて
(にこにこ！)と口パクで言ってくる。
いつも佐久間がそうやって、その笑顔の可愛さに
私の気分は少しだけ晴れるのだ。
｢ パーティー用のドレス買いに行きなさいよ ｣
｢…は？ドレスルームにいっぱいあんじゃん｣
｢ あんたあたしの着た試しないじゃない。
佐久間、ついて行ってやって ｣
『承知しました』
はぁ……ほんっとに勝手。
私まだ結婚するって言ってない。
なのに昨日執事辞めるって言ってたどっかの誰かさんさえ
乗り気で今日の学校終わりに行きましょうとか言ってる。
朝食が終わって、顔と髪を整えて
ほぼなんにも入っていないバッグを持てば
玄関で既に待ち構えていた佐久間。
なんか、楽しそう。
車に乗り込んで20分ほど走れば校門が見えてくる。
こんなところを車登校する人はあまりいないから
目立つしやめたいって言ったことあるけど、
何だかはぐらかされて今のままに至る。
運転する佐久間を見ているのは好きだから
それで自分の中で折り合いをつけた。
『行ってらっしゃいませ。帰りはいつも通りでよろしいですか？』
｢…うん、多分ね｣
『それではまたお帰りの時間にここでお待ちしています』
降りた彼が助手席の扉を開ける。
即座に寄ってきたクラスメイト。
私を見るふりして佐久間見てるの分かってるよ。
私と仲良くしようとする子達は、何となく色眼鏡をかけている。
他の子とは違うと教えこまれ育ってきたが
ああこういうことなのかと、私や佐久間を見る彼女たちに知らされた。
｢ Aちゃんおはよ！佐久間さんも！ ｣
『おはようございます。お嬢様をよろしくお願いします』
佐久間はそんな子達に必要最低限の挨拶を返して
私だけにニコッと笑う。
『勉強、頑張ってくださいね』
｢…はいはい｣
佐久間に背を向けてもまだ、後ろで甲高い声が喚いていた。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
