︎♥︎ 1 ページ1
自分の周りにある全てのものが嫌いだった。
全てに反発し、全てを拒否した。
両親は私が生まれたことをすごく喜んだ。
女の子らしく、おしとやかな可愛い子になってほしいと
ふわふわのものやピンクのものを私に与えた。
｢…要らない｣
必要以上の干渉も、このピンクたちも。
何一つ私を満たしはしない。
ただひとつ、彼を除いては。
『お嬢様、佐久間ですよ〜！開けてくださ〜い！』
唯一可愛いと思えるピンクだった。
ふわふわと跳ねる執事の髪。
きっと寝坊して、急いで来たんだろう。
今日はノーセット。
私の専属執事である佐久間。
15歳の誕生日と共にここへやってきてもう3年になる。
外から来た彼は、色んなことを教えてくれた。
生まれてこの方、自由に外に出られたことのない私は
佐久間の話だけが楽しみだった。
｢遅いんじゃない？｣
『申し訳ありませんっ！今日は来客があるので
その段取りをしていました』
｢…来客？お母さまはそんなこと話していなかったけど｣
『あれっ？そうなんですか？はっ、もしかしたら
俺余計なこと喋ったかもしれません』
いつも元気で明るくて、うるさい。
執事としてはどうかと眉をひそめられそうだけど
私はそんな佐久間が好きだった。
彼の元気は伝染するから。
佐久間と一緒にいる時は、楽しいの。
『いやでも来客があるということはお嬢様も準備をしなければ
なりませんし…奥様が伝え忘れられたんですかね？』
｢そうかもね、何時に来るの？｣
『3時間後の13時です。お嬢様、髪は俺がやるので
服とお化粧をお願いしますね』
｢はーい｣
時間は沢山ある。
男か女かすらも聞かなかったけど、別にどんな人だっていい。
私をここから連れ出してくれるわけでは、ないのだから。
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カジャ(プロフ) - なべさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます。もう少しお付き合いください。 (3月13日 18時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。 前作の縁‐YUAN‐から読ませていただいてます。 とても素敵なお話だな、と思いながら…今後も更新楽しみにしています。 (3月13日 3時) (レス) @page26 id: d14fd2bd0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年3月2日 18時
