たった4ミリの誤差 ② (ページ1)

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元恋人ページ1

コウ side
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お店を閉めようとした時にドアが開く音がした。

玲於「はぁ…はぁ…」

コウ「玲於？」

玲於「ごめん…こんな遅くに」

コウ「別にいいけどどうした？」

玲於「Aがフランスに行くってほんと？」

玲於の口からAの名前が出た時
すごくもどかしい気持ちになった。

玲於に彼女がいるってことを知って
泣いて俺のところに駆け込んできたAを
思い出すと玲於を殴りたくなる。
でも玲於は本当に良い奴だし
素直じゃないところもあるけど
Aの話になるとすごく楽しそうだった。

本当はAのこと好きなんじゃないかな
って思うけど…

コウ「半年後に行く予定だよ」

玲於「半年後か…」

コウ「玲於さ」

玲於「なに」

コウ「彼女って和香のこと？」

少し黙ってから玲於は軽く頷いた。

コウ「なんで言ってくんなかったの」
玲於「…」
コウ「なぁ玲於」
メン「和香は病気なんだ」
コウ「メンさん…なんで…」
メン「ごめん。盗み聞きして。」
コウ「それどういうことだよ」
玲於「コウの元カノだったのはわかってる」
メン「コウには伝えるなって」
コウ「なんだよそれ」

俺の元恋人。和香。
少し体が弱かったのは知っていたけど
病気だったのは初耳だ。

もちろんAも知っている人だ。
でもあの時既に痩せ細っていたのか
誰か分からなかった。
今和香は普通に生活しているみたいだけど
いつ倒れるか分からないらしい。

玲於「和香のところ行ってあげてほしいっつーか」
コウ「俺と和香はもう終わったんだって」
玲於「和香はコウに会いたがってんの」

和香が俺に会いたがってるって信じられるわけないじゃねーかよ。