親であり、好きな人であり、悪魔であり 2 (ページ32)

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渡辺
｢…いた。｣

呼吸を整えながら蹲って泣いているAの名前を呼んだ。

『しょっぴー…？』

渡辺
｢おわっ、｣

名前を呼ぶと、勢いよく抱きついてきたA。

『なんで、ここ…』

渡辺
｢わかるに決まってんだろ。どんだけお前のこと見てきたと思ってんだよ。｣

『ふ、、わぁぁぁぁああぁあああ！！！』

深澤
｢よし、じゃあとりあえず見つかったし。阿部ちゃんに報告するよ？｣

ふっかが阿部にAを見つけたことを報告している間も、ずっと抱きしめ続けた。

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俺がみつけてからようやく泣き止んできたAは、泣き疲れたのか腕の中で眠ってしまったが、しばらくすると、ゆっくりと目を開けてAが目を覚ました。

渡辺
｢あ、起きた？｣

『しょ、っぴー…？はっ、私羽根は！？黒い羽根！』

渡辺
｢見つけた。お前の部屋で。｣

『…冷静、だね。…みんなも、』

渡辺
｢まぁ俺たちの世界では珍しくないからな。途中から悪魔に目覚めるのも。｣

ラウール
｢それよりもAちゃんがまた目を覚まさないんじゃないかっていう方が怖くて…｣

『そっか、ごめんね。迷惑かけたよね。』

目黒
｢ううん、こうやって目を覚ましてくれたから全然いい。｣

阿部
｢A、ここまでの経緯、教えてくれる？｣

『…うん。』

阿部の問いかけに頷いたAは、ベッドの横に座っていた俺の手を握ってみんなに話し始めた。